2024年5月20日(月)17:50~18:04
於:党本部平河クラブ会見場
【冒頭発言】
本日の役員会の概要を報告いたします。
岸田総裁からは、昨日は山形県を訪問し、地域医療・介護の先進的な取組を視察した。地域の持続可能性を維持するためにも、データを共有し、医療機関相互や医療介護の連携強化の取組を強化することが鍵を握ることを実感した。また、政治刷新車座対話を行い、各分野の現場の切実な声をお聞きした。政治に対する信頼を回復するためには、政治刷新を進める一方で、こうした現場の切実な声に応え、内外の諸課題にしっかりと答えを出していくことしかないと改めて意を強くした。
政治資金規正法改正については、先週与党間でとりまとめた方向性に基づき、自民党の条文案を提出した。改めて役員各位のご協力に感謝する。今国会での政治資金規正法の改正を確実に実現するべく、引き続き公明党とも力を合わせて、また、野党の意見も伺いながら、政治改革特別委員会での議論に真摯に対応し、政治の信頼回復につなげていく。
最新の第一四半期GDP速報では、震災や一部自動車メーカーの出荷停止など特殊要因を反映した数字となったが、春闘の賃上げ動向など力強い動きは続いている。さらに、物価を上回る所得増の実現を確実なものとする一人 4万円の定額減税が6月から始まる。給与や賞与の支払い時に減税の恩恵を国民に実感いただくことが重要であり、給与明細へ明記されるようにするとともに、集中的な広報など発信を強めていく。
外交関連では、本日に予定されていたサウジアラビアのムハンマド皇太子の訪日は先方の都合により延期となった。なお、イランのライースィ大統領の事故については、お悔やみの総理談話を本日発出する。
通常国会も会期末まで残り一か月。多くの重要法案の成立を目指して、大詰めを迎える中で、政治資金規正法改正の成立に向けて、与野党の議論が本格化する。役員各位と一致結束して臨んでいきたい。引き続きのご協力をお願いする。
麻生副総裁からは特段の発言はありませんでした。
私からは、安定的な皇位継承のための皇族数の確保について、先週金曜日、衆参の正副議長による各党会派の意見聴取が行われ、麻生副総裁とともにわが党の「所見」を報告した。今後、静ひつな環境の下で、各党会派で「主な論点」について議論を深め、「立法府の総意」を築き上げていきたいと思う。
先週金曜日、わが党として法案化の作業を進めてきた「政治資金規正法改正案」が総務会で了承され、国会に提出した。政治資金問題の再発防止に向け、極めて実効的かつ現実的な法案になっていると思う。法案化の作業を進めてもらったワーキンググループの各議員に感謝する。
今後も、公明党とも力を合わせ、野党の意見も聞きながら、国会の特別委員会での議論を経て、今国会での改正案の成立に万全を期したいと思う。
昨日、岸田総裁は山形での「政治刷新車座対話」に出席された。岸田総裁が3月の党大会で、全国各地での車座対話の実施を表明して以来、この2ヶ月で33の都道府県で開催を終え、さらに今後6県での開催も決定している。
この「政治刷新車座対話」は、もともと各県一巡で終わるのではなく、継続して開催していくこととなっていた。これにより、多様な地域の声、より多くの党員、国民の意見を直接伺うことができる。今後、党所属国会議員や各都道府県連の要望も伺いながら、車座対話を継続して開催していきたいと思うので、役員各位の協力をお願いしたい。
本日、台湾の頼清徳(らい・せいとく)新総統が就任しました。わが国にとって、台湾は、自由・民主主義・法の支配といった基本的な価値観を共有する重要なパートナーであり、かけがえのない友人である。就任式には、日華議員懇談会の古屋圭司会長はじめ、19名のわが党所属国会議員が出席される予定である。
わが党は長年にわたって台湾との交流を重ねてきており、今後も、これまで交流の窓口となってきた青年局を中心に、台湾との関係を一層深めていきたいと考えている。
国会会期も残り1か月を切った。引き続き政府・与党、衆参で連携を密にして、全ての政府提出法案や政治資金規正法改正案の成立に万全を期したいと思う。
質疑応答
- 朝日新聞です。弊社の週末の世論調査なのですけれども、自民党以外の政権を望むとの回答が5割を超えました。ただ一方で、今の野党に期待できないという声も7割を超えました。政治資金の問題を抱える今の政権に加えて、政治そのものの信頼あるいは期待というものを、どのように高めていくべきか、お考えをお伺いできればと思います。
- この政治資金の問題をめぐって、わが党に対して、国民の厳しい目が向けられている。このことについては謙虚に受け止め、政治資金規正法の改正を実現するとともに、既に3月の党大会で決定しております、党則の改正であったりとか、ガバナンス・コードの改訂、これを踏まえた党改革をしっかりと実現していきたいと思っております。
ご指摘の世論調査の結果を見てみますと、確かに自民党だけでなくて、わが国の政治全体に対して、今の物価高であったり、少子高齢化など、重要課題に政治が十分に対応していないのではないかと、こういう国民の不満であったり、不安が高まっているのではないかと感じているところでありまして、政権与党として、わが国が直面する内外の重要課題を大胆かつ着実に一つ一つ解決していくことによって、国民の皆様の信頼回復に努めていきたい、こう考えています。
- 共同通信です。政治資金規正法について伺います。先ほど、ご言及もありましたけれども、先週に自民党が法案を単独提出し、本日、立憲国民案も提出されました。国会論戦も始まりましたが、野党の各案についてどう捉えておられるかと、今後の与野党協議へどのような姿勢で臨むか改めてお伺いします。
- わが党の案については先程申し上げた通りでございますけれども、野党案については、これから内容を精査してみたいと思っております。どこまで実効性のあるものなのか、どこまで現実的なのか、こういったことも含めて精査をしたいと思っております。その上で、必ずこの国会で政治資金規正法の改正を実現するということについては、考え方というのが一致しているのではないかなと思っておりまして、これまで協議を続けてきた与党公明党と力を合わせて、野党の意見も伺いながら、丁寧に対応し、この国会で改正案を必ず実現していきたいと、こんなふうに思っています。
- TBSです。冒頭の総理発言でも言及がありましたけれども、イランの国営通信が、ヘリの事故でライースィ大統領含む乗客全員が死亡したと伝えました。今回の事案について幹事長の受け止めを伺います。またライースィ大統領は保守強硬派として知られ、外交面では反欧米の強硬路線、ガザ情勢をめぐっては、イスラエルやアメリカと敵対姿勢を強めてきましたけれども、今回の事案を受けて中東情勢は更に混迷を極めることも予想されますが、日本政府にどのような対応を求めますでしょうか。
- まずは、大統領のご家族、そしてイラン国民の皆さんにお悔やみを申し上げ、心から哀悼の誠をささげたいと思います。
私も外務大臣として、3年前にイランを訪問した際に、ちょうど就任直後だったと思いますが、ライースィ大統領と会談を行いました。非常に丁寧に会談に応じていただいた、こんなふうに思っておりまして、大統領には、日本とイランの伝統的な友好関係、この更なる発展にご尽力頂きたいと期待をしていたところであります。大統領ご本人について、今、言及がありましたけれども、おそらくそれがイランの全体の国民の考えに近いというのもあるのではないかなと、こんなふうに考えているところでありまして、今回の事故によって、国際情勢、また中東情勢、どういう影響が出るか、出ないか、それも含めて、引き続き状況を注視していきたいと思っています。
一方で、イスラエル・パレスチナ情勢をめぐっては、ガザ地区で戦闘が激しくなる、長引く中で、危機的な人道状況、これに陥っている、深刻化していると、そんなふうに考えています。政府には、国連であったり、またイタリアで行われるG7の機会、こういったものを通じて、持続的な停戦、実効的な停戦につながる取組みを進めてもらいたいと、こんなふうに思っています。今の人道状況は放置できないと、こう考えています。
- 朝日新聞です。上川外務大臣が静岡県知事選の応援演説で、自民党推薦候補について、「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と述べ、昨日、撤回致しました。野党から大臣の資質を問う声などが上がっておりますが、まず受け止めについてお伺したいのと、加えて週末の知事選についての影響があるかどうかのお考えもお伺いします。
- ご指摘があったように、発言については真意と違う形で受け止められる可能性があるということで、本人が撤回されたと承知しております。
上川大臣、大臣に就任される前は、2年間、私のもとで幹事長代理を務めてもらいまして、女性や若者、多様な人材が活躍をすると、こういう取組みも進めてもらったわけでありまして、上川大臣には、今後もこういった観点からしっかり対応してほしいと、こんなふうに思っております。