2023年8月1日(火)11:07~11:37
於:党本部平河クラブ会見場
【冒頭発言】
役員会・役員連絡会の概要をご報告いたします。また、役員連絡会の後に「女性議員の育成、登用に関する基本計画実行PT」で第一弾の施策が決定しましたので、それも含めてご説明させていただければと思っています。
岸田総裁からは、引き続き、地域の現場を訪問している。先週は、福岡県では、先般の大雨による土砂崩れの現場等を視察し、被害に遭われた方などから直接話を伺った。九州北部や秋田県などを含めて、全国で被災された地域に対し財政面で十分な支援行うため、いわゆる「本激」の指定に向けた手続きを進める。
また、福岡市では、マイナンバーカードも活用した「ノンストップ行政」を掲げるサービスを体験した。都内の介護施設の現場では、健康保険証の管理や、マイナ保険証の利用状況などについても伺った。現場の声や意見を大切にし、政府としての対応を丁寧に検討していきたい。
こども・子育て政策については、鳥取県で地域ぐるみで子育て家庭を応援する現場を拝見した。「こども未来戦略方針」のスピード感ある実現と、地域の温もりある取組みが一体的に進むことが、実効的な少子化対策には必要だと感じた。島根県では、地方大学の地域産業を支える人づくりの現場を視察した。わが国の未来を担う人材育成に向けて、地域との連携を大切にしていく。
政権の最重要課題の1つである賃上げについては、最低賃金を、全国平均で過去最大の上げ幅となる4.3%引き上げ、1,002円とする目安が取りまとまった。生産性向上支援や価格転嫁対策の徹底などの環境整備に政府一丸となって取り組み、構造的な賃上げを実現し、持続的な成長につなげる。
外交については、8月17日からアメリカを訪問し、日米韓首脳会合に出席する予定。日米韓首脳会合が国際会議と併せてではなく単独で行うのは初めてのこと。北朝鮮への対応など、3カ国の戦略的連携を強化する機会にしたい。
役員各位はじめ党の先生方も、お盆の時期には地元に戻られることと思うが、是非地域の声をしっかりと政策の現場に届けてほしい。ご協力をよろしくお願いする。
麻生副総裁からは、特段ご発言はありませんでした。
私(茂木幹事長) からは、豪雨災害について、総理が先週、全国を一律に「激甚災害」に指定し、復旧にかかる費用を支援していく方針を示された。政府の速やかな対応を評価する。今後、関連する手続きを迅速に進め、被災地の復旧・復興、被災者支援に全力で取り組んでいただきたいと思う。
10増10減の候補者調整について、先週28日までに全ての選挙区の候補者調整が完了した。調整にご協力いただいた各都道府県連の役員はじめ、関係者の皆様に感謝申し上げる。10増10減以外で残っている調整区もあとわずかとなっており、最終の支部長選任作業を進めていきたいと思う。
公募による選考を実施している大阪の10の選挙区の支部長について、様々なバックグラウンドを持つ、多くの皆さんから応募をいただいた。書類選考の上、約30名について「自民党大阪刷新本部」役員による面接審査も、先週行なったところ。素晴らしい人材が多くなかなか難しい選考であるが、最終調整の上、速やかに選任された支部長を発表したいと思う。
先週、最低賃金について、全国平均で初めて1000円台に引き上げることで労使が合意した。今年の賃上げ率も3.7%と30年ぶりの高さとなっており、継続的な賃上げの流れをしっかりと作っていきたいと思う。
今年の夏は、各地で4年ぶりにお祭りやイベントが開かれ、議員も参加する機会が多いと思う。それぞれの議員が地域の声をしっかりと聞き、自民党の考えを伝える、そういう夏にしてほしい。
今後の予定でありますが、次回の役員会、役員連絡会も一緒でありますが、8月22日(火)を予定しています。来週8日(火)、再来週15日(火)はいずれも開催の予定はありません。
髙木国対委員長からは、先の豪雨災害につき、災害特が明日、久留米と唐津の現地視察を行い、来週8日(火)に質疑3時間を行う。
NHKが、BS配信の設備調達を稟議書で決定していた不適切な事案につき、本日10時に総務委員会の理事懇を開いて再発防止策を聴取する。この理事懇には、NHK会長も出席する。
野上参議院国対委員長からは、参議院では、梅雨前線による大雨の被害に関し、災害対策特別委員会は、明後日3日(木)、実情調査のため、秋田県に委員派遣を行う。そして17日(木)、委員会を午後から開会し、派遣委員の報告、質疑を行う予定。
関口参議院会長からは、閉会中ではあるが、地方デジタル特別委員会や災害対策特別委員会などのように、必要に応じて閉会中審査を開き、しっかりと対応して参る。よろしくお願いする。
世耕参議院幹事長からは、私が座長を務める参議院改革協議会と牧野幹事長代理が座長を務める選挙制度に関する専門委員会がそれぞれ先週開催された。改革協議会では地方との連携やデジタル化等について、選挙制度専門委員会では主要国の上下院の選挙制度等について議論された。デジタル化の中のオンライン審議については、各党各会派である程度方向性が合ってきたので、もう少し具体的に前に進めていきたいと思っている。夏の間もしっかりと会議を開催していきたい。
今日は森山選対委員長が出張で、金田選対委員長代行から、先週、支部長選任会議を開催し、新たに神奈川4区の選挙区支部長を決定した。これにより、10増10減に関係した134選挙区の全てにおいて、支部長調整が終了した。
一昨日投開票の仙台市議会議員選挙は、わが党は18議席を獲得し、第一党を維持したものの、前回選挙の当選者数から1名減となった。一方で、公明党が9名、日本維新の会が5名全員当選したという結果となっている。
東北ではこの後、盆明けから9月にかけて、岩手県で知事選挙、県議会議員選挙、10月に宮城県議会議員選挙、11月には福島県議会議員選挙がそれぞれ予定されている。役員各位におかれては、引き続きのご協力をよろしくお願い申し上げる。
萩生田政調会長からは、先週、「来年度予算の概算要求基準」が固まったことを踏まえ、各部会等では今後、約1カ月をかけて、具体的な項目や要求額に関する議論を進めていくことになる。
部会等の重点項目については、要求期限の前日に当たる8月30日の政調審議会で報告を受ける予定である。なお、各部会等で概算要求に関する議論が始まるのに先立ち、7月25日に「全国政務調査会長会議」をリモート形式で開催し、都道府県連から意見を聴取した。その会議では、「教育、子育て支援、少子化対策」に関する意見が最も多かったのをはじめ、「災害対応、防災・減災、国土強靱化」、そして「物価高騰対策」などに関する意見も多数寄せられた。こうした意見は政調内で共有し、概算要求はもとより、年末の予算・税制改正に向けた議論に活かしていきたい。
遠藤総務会長からは、総務会は、案件がないため、8日・15日は開催しない。22日以降は、案件がどうなるか、決まり次第ご連絡する。
役員連絡会では、私(茂木幹事長)以下、役員会と同様の発言です。加えて、石田広報本部長から、直近の世論調査結果について説明がありました。
役員会・役員連絡会の概要は以上です。
私から2点、申し上げます。
1点は私の明日の出張についてですが、明日は大阪に出張し、府連の会議、そして記者会見、さらには公明党の佐藤茂樹国対委員長のパーティーに出席する予定です。
そしてもう1点、冒頭も申し上げました「女性議員の育成、登用に関する基本計画実行PT」の結果についてですが、先ほど、党改革実行本部の下に設置した、「女性議員の育成、登用に関する基本計画実行PT」の役員会を開催し、今後の方針を決定しました。詳細については、上川座長はじめPTの中心メンバーが同席してもらっておりますので、何でも聞いてください。しっかりお答えいただけると思います。
具体的には、第一弾の支援策として、新人の女性候補者、一人あたり100万円を給付する「女性候補者支援金制度」、また、男女を問わず、子育て中の候補者や要介護等の家族を持つ候補者に100万円相当、さらに子供2人目からは1人50万円ずつ加算をして給付する「子育て・介護支援金制度」、そして、政治活動や選挙活動におけるハラスメント被害を防ぐための「ハラスメント相談窓口」の要項、これについて議論をし、了承を得たところです。いずれも、これまでとはレベルの異なる支援策であり、国政におけるわが党の女性議員の割合を30%にするという目標達成への自民党の本気度を示すものだと、このように考えています。引き続き、わが党は様々な課題に取り組み、結果を出し、さらなる改革を進めていきたいと思っています。
以上です。
質疑応答
- 朝日新聞です。今ご紹介いただいたPTの件について、幹事長と上川代理それぞれに伺いたいのですが、自民党は今後10年で3割という目標を掲げていますが、一方野党からは、これまでの自民党の取組みは他党に比べて遅いのではないかという指摘もありました。その中で今回、こうした施策を策定した意義について伺います。
- これから、多様性が重視される、そういった社会をつくっていくということが求められていると思います。そうしますと、女性であったり若者、さらには様々な人材が活躍できるような環境を整えていく。同時に、そういった意味でも、また、子育て政策等々を進める上でも、女性議員の意見をしっかり反映していくということは極めて大切なことだと考えています。わが党としても、女性未来塾であったりとか、様々な取組みを進めまして、その塾の卒業生の中から県議会議員や地方議員等々も生まれて、一定の成果が出つつあるところですが、先日も少しお話したのですが、わが党の場合、どうしても現職議員が多いということで、選挙の際になかなか空きが出ないというか、そういったことで女性候補者が擁立しにくい、そういう側面もあったのも事実であると思いますが、それでもこういった高い目標を掲げて、具体的な支援策を講じることによって、目標としている30%をしっかりと達成していきたいと考えています。
- (上川座長): 党改革実行本部におきまして、党改革の大きな活動をこの間、3年目に入りますが、2年間にわたって行なって参りました。その党則改正であるとか、その一つとしてガバナンスコードを策定する。そしてその中に、これからの社会は、今幹事長のお話の通り、多様な声をしっかりと受け止めることができる政党でなければいけない。また社会全体も、そうした中で包摂する社会をつくらなければいけない。こういう大きな目標の中で、党を挙げてガバナンスコードを策定し、その中の一つとして、多様な意見を吸収させていただく政策として、女性の育成登用に関する計画を策定するということを自らコミットさせていただき、実現してきたところです。具体的にその内容については、先般ご報告した通りですが、それを高い目標ということで10年間に30%という目標ですが、世界的な標準で言っても、また国内の中で言っても、政党としては必ずしも、本来であれば2020年までに30%という大きな世界的な目標がありましたが、それに比べてみても、必ずしも先頭を走っているわけではないという自己評価の上で、今回、その基本的な計画を実践型の具体策に落とし込んでいくということで、第一弾の施策を今日まとめさせていただいたところです。これから先、第二弾、第三弾と、16の項目がございますので、それを検討し、そしてなるべく早くメッセージをお出しし、そして女性の立候補や、また挑戦していくために、今持っている生活をしながら、子育てをしながら、そういう中でためらっていらっしゃる方たちの後押しができる制度にしていきたいと思っていますので、今後ともこの支援策の充実に力を入れて参りたいと考えています。
- フジテレビです。支援金制度についてなのですが、簡単な質問で恐縮ですが、もし女性議員で3人子供がいた場合は100万+100万+50万×2の300万円ということになりますか。
- そういう計算で結構です。
- フジテレビです。それは野党支援金制度と比較しても桁の違う政策だというのは分析の結果だという理解なのか解説を頂きたいと思います。
- これは、例えば男女の賃金ギャップ等の状況等々も踏まえて、一定の数字というものを割り出したものであります。また、子育て、例えばそれに対して、色々なかたちで対応していくと言いますか、ヘルパーの方であったりとか、それから一時預かり等々、大体時間当たりでいくらになるのかと、一日12時間、そして30日、それを計算するとおそらく90何万円くらいになるのではないかと思いますけれども、それを十分カバーできるという額でありまして、決して野党がどうだと言うつもりはありませんけれど、自民党としては一番思い切った対策と、またある程度いろんな意味で、これだけではありませんけれど、女性が思い切って国政に挑戦する。また、子育て中の若者が国政に挑戦すると、このハードルを越える一つの支援策になっていくものだと、そんなふうに考えております。
- テレビ東京です。防衛財源の確保の一環で、NTTの完全民営化の検討について、自民党は特命委員会の作業チームを設けて株式の売却検討を始めることになりました。防衛財源にNTTの株価売却益を充てること、NTTを完全民営化することについて、幹事長はどのようにお考えですか。また、作業チームにどのような論点での議論を期待しますか。
- 防衛力の抜本的強化に必要な追加財源については、まず歳出改革などに最大限取り組むこととしているわけです。その上で、政調の特命委員会において、税外収入や決算剰余金の活用などの更なる上積みの余地を検討して、6月に提言を取りまとめました。この提言の中に、NTTの完全民営化も選択肢として速やかに検討すべきとされておりまして、今回、特命委員会の下にプロジェクト・チームを設置して議論を深めていくことになったと承知しています。NTTが民営化されたのは1986年ということになるわけですが、わが国の基幹・通信インフラを担うNTTの在り方については、これまでも様々な議論がありまして、また昨今の経済安全保障などの観点からも検討が必要と考えておりまして、今後の議論を注視したいと思います。
- テレビ東京です。日銀は先週の金融政策決定会合で、プラスマイナス0.25%程度としてきたイールドカーブ・コントロールの運用を柔軟化することを決め、長期金利の上昇抑制を目的に国債を買い入れる指し値オペの水準を従来の0.5%から1.0%に引き上げることを決めました。この影響で、長期金利は一時0.6%を超えるなど9年ぶりの水準まで上昇していますが、事実上の利上げともとれる今回の日銀の政策について幹事長の受け止めをお願いします。
- どういう趣旨ですか。幹事長としてこれを決定しているということなのですか。
- この政策が、政府が緩和的な施策を推し進めて経済成長を促す中でのいわゆる利上げということで、経済成長に水を差すのではないかという企業の見方も市場では言われています。この政策について与党としてどのように受け止められるか、伺います。
- 本来私が答えるべき質問かどうか迷うところはありますが、金融政策の具体的な手法については、ご案内の通り、日本銀行に委ねられるべきと考えています。今回の決定については、基本的な評価というか考え方というのは、イールドカーブ・コントロールの運用を柔軟化し、今まで完全に色の濃かった部分、そこで止めるものを、色の濃かったところに上と下に少し薄い色の部分を入れて、柔軟な運用を行なっていくということでありまして、金融緩和の持続性を高めるものだと理解しています。日銀には、引き続き政府と密接に連携し、物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて、適切に金融政策運営を行なってもらうことを期待したいと思います。
- TBSです。自民党女性局のフランスへ研修について伺います。SNS上では「完全に観光旅行」「物価高で苦しむ国民の感覚が分かっていない」などと批判の声があがっています。今回の事態に対する幹事長の受け止めを伺います。
- 真摯に受け止めなければいけないなと思っております。今、報告させていただきましたが、ぜひ女性に活躍する社会をつくっていく。特に政治の分野で、女性議員の数を増やしていく。様々な施策を取っていく中で、しっかり現地での実態調査というか、様々な会議をやってもらったんだと思いますけれども、少なくともSNS上で、そういう受け止めをされているということは極めて残念だなと、こんなふうに考えております。そしてこの件につきましては小渕組織運動本部長が松川女性局長から話を聞いて、「せっかくの視察が、不適切な情報発信などによって誤解されることがないように」と注意をしたと報告を受けているところであります。また、今回の女性局の海外研修の費用については自己負担分と党の負担分によって賄われております。ただ、党の負担分というか、党の助成分については政党助成金、これは使っておりません。
- 時事通信です。7月30日に投開票された仙台市議会議員選挙では、自民は選挙前から3議席減らした18議席、立民が1議席減らした11議席を獲得した一方、維新は擁立した5人全員が当選しました。この結果に対する幹事長の受け止めをお願いします。
- 前回の選挙から見ると1議席減という結果だと思いますが、いずれにしても減らしたということで、地方議会の選挙については、争点も含めて国政とは違った側面もあると考えておりまして、まずは宮城県連において、今回の選挙の争点が何だったのか、選挙の対立構図がどうだったのか、こういったことも含めて、分析をしてほしいと思っております。先程申し上げたように、宮城県においては、10月に県議選も予定されているところでありまして、県連と党本部がしっかり連携して選挙態勢を整えていきたいと思います。
- 朝日新聞です。9月に控える国民民主党の代表選に向け、1日にも前原誠司代表代行が出馬を表明する見通しです。すでに立候補を表明している玉木代表との間で、与党との関係を巡る国民民主党の路線が大きな争点になるとみられますが、代表選の趨勢をどうご覧になっていますか。また国民民主の新体制次第で、今後の政権運営にも影響を与えうるとお考えでしょうか。
- 他党の代表選でありますから、コメントは控えさせていただきます。