経済安全保障推進本部(本部長・甘利明衆院議員)は政府の経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太の方針)取りまとめに向けた経済安全保障政策の課題と対応策をまとめた提言を策定し、5月31日に岸田文雄総理に申し入れました。
提言では昨年の5月に成立した経済安全保障推進法に定められたサプライチェーンの強靱化や基幹インフラの規定を着実に進めることを求めたほか、経済安全保障上の課題として(1)セキュリティ・クリアランスの制度の創設(2)経済インテリジェンスの強化(3)サイバー・セキュリティの確保(4)経済的威圧への対応(5)機微技術情報の流出防止(6)DFFT(信頼性のある自由なデータ流通)(7)偽情報の拡散への対応―を列挙。このうち、安全保障上の重要な情報にアクセスする者に資格を付与する「セキュリティ・クリアランス制度」については速やかな法整備・体制整備を求めました。
また、これらの課題への対応を進めるため、経済安保分野を「内閣の重要課題を推進する体制整備および人件費予算の配分の方針における緊急重点分野(別枠)と位置付け、計画的に整備すべき」としています。
提言は来年度予算編成に向けた骨太の方針に盛り込むべき事項を挙げていますが、「経済安保を取り巻く環境は絶えず変化し、その動きは驚くほど速い」として、同本部では引き続き議論を継続し、時代を先取りした経済安保政策を推進していくことも掲げています。
「経済財政運営と改革の基本方針2023」に向けた提言
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