お知らせ「自由民主」先出し国土強靭化地方創生

自由民主1面コラム「幸響」
宮崎 雅夫 広報本部新聞出版局次長

宮崎 雅夫 広報本部新聞出版局次長

農業・地域を支える15万のため池

香川県まんのう町に満濃池がある。空海が築池(つきいけ)別当(べっとう)として改修したことでも知られ、周囲20km・貯水量1540万立方メートル、わが国最大級の農業用ため池である。ため池は降水量が少ない瀬戸内地域を中心に全国で約15万カ所があり、農業用水源として重要な役割を果たしている▼しかし、約7割のため池は江戸時代以前に造られ、老朽化が進行するとともに、近年の豪雨では洪水が堤体(ていたい)を越流、破壊し、下流で大きな被害が出る場合もある。今夏の東北を中心とした豪雨で被災を受けた18カ所のため池のうち5カ所が決壊した▼国土強靱化によりため池対策も順調に進んでいる。しかし、何といっても対策が必要な数は膨大であり、加速していかなければならない。国土強靱化中期計画の早期策定が必要だ▼また、地域の農家で管理されているため池が多いが、過疎化・高齢化により維持管理体制も脆弱(ぜいじゃく)化している。農家以外の地域を巻き込んだ体制の再構築も必要だ。ため池は農家だけでなく、自然環境や生態系の保全、洪水調節、景観形成等、地域にとっても大切な資源なのだから。

ご購読のお申し込みはこちら。