2024年6月17日(月)17:40~18:00
於:党本部平河クラブ会見場
【冒頭発言】
本日の役員会の概要を報告いたします。牧島副幹事長、鈴木副幹事長が同席をしておりますが、なぜ、同席しているか、もう少ししたら分かると思います。
岸田総裁からは、沖縄県議選、幹事長、選対委員長はじめ関係者の尽力に感謝する。
今回のG7イタリア・プーリアサミットでは、第一に、アフリカの開発、移民問題などヨーロッパの危機感に沿ったアジェンダに大きな重点が置かれた。第二に、ウクライナや中東についても最新の状況を踏まえて突っ込んだ議論が行われた。ウクライナのための総額500億ドルの「特別収益前倒し融資」の立ち上げ、対ロ制裁の迂回に対する厳しい対応などについて合意がなされた。第三に、インド太平洋や経済安保については、我が国が議論をリードした。広島サミットでの成果を引き継ぎ、過剰生産や経済的威圧への対応、サプライチェーンの強靱化、技術の保全などについて議論が深まった。また、インド、ブラジルなど11か国のアウトリーチ参加国の首脳とも会談や懇談を行った。
直後にウクライナとスイスの共催で開かれた「ウクライナ平和サミット」に参加した。同サミットには、約100か国が参加し、「公正かつ永続的な平和」について国際社会の力強い発信を行った。グローバルサウスを含め、原子力による威嚇の拒否、食糧安保やこどもの人権をはじめ、平和実現に向けて共同声明が出されたことは意義深い。
先週は骨太の方針の原案をお示しした。「デフレ型経済」から「成長型経済へ」と移行する千載一遇のチャンスを迎えていることを念頭に、「移行」を成し遂げるために必要となる施策を幅広く盛り込んだものとなっている。党ともさらに調整を進め、近く骨太方針を閣議決定することを目指す。
また、賃上げが行き届かない年金世帯や価格転嫁が進まない中小企業などを念頭に機動的に対応を検討していく。
国会も大詰め。明日は政治改革特委の質疑、19日には党首討論の予定。会期末までに、政治資金規正法改正案や提出法案の成立を期していく。役員各位の協力を宜しくお願いしたい。
麻生副総裁からは、沖縄県議選について、久しぶりに良い結果だったと、発言がありました。
私(茂木幹事長) からは、この週末、岸田総理が欧州を歴訪された。イタリアのG7サミットでは、昨年の広島サミットの成果を継承し、自由で開かれた国際秩序の堅持、経済安全保障、AIなど先端技術の国際ルール作りに向けた連携強化など、世界が直面する諸課題に結束して対応していくことを確認する重要な機会になったと思う。
沖縄県議選について、昨日、沖縄県議選が行われ、わが党公認候補が全員当選を果たし、公明党などと合わせて16年ぶりに県議会の過半数を獲得することができた。
選挙戦では、経済の問題や玉城県政に対する評価が主な争点になったと思う。そして、接戦が伝えられる中で、各陣営が緊張感を持ち、選挙期間中、更に運動量を上げたことで、各選挙区で競り勝ち、全体の勝利につながったのではないかと考えている。
今後、地域経済の活性化、県民生活の向上などの政策を県議会がリードし、来たるべき知事選での県政奪還につなげていきたいと思う。
党改革実行本部では、昨年6月に「女性議員の育成・登用に関する基本計画」を取りまとめ、わが党の女性国会議員の比率を10年間で30%まで引き上げるという野心的な目標を設定した。
この目標の実現に向け、各級選挙で女性候補者となり得る人材の発掘、育成を図るため、本日より、女性議員・候補者に関する情報を集約したサイトを新設し、党のホームページで公開している。中々良いサイトが出来たと思います。非常に見やすい形になっていると思いますし、こういったものを通じて色んな選挙で女性が手を上げると、そしてまた何度でもチャンスがあるという状況というのも作っていきたいと、こんなふうに考えているところであります。このサイトの問題につきましては今日、実際に作ってくれた牧島さん、そして鈴木さんがいますので、何でも質問があったらどんなに詳しいことでも、お答えになられるということでありますから、どしどし質問していただければと思います。
女性や若者、多様な人材が活躍する自民党を目指して、引き続き様々な取組みを進めていきたいと思う。
「政治資金規正法改正案」は、現在、参議院において審議が大詰めを迎えている。参議院の皆さんには、大変タイトな日程の中、ご苦労をおかけいたしますが、この国会での成立に万全を期したいと思う。
会期もいよいよ残り1週間を切った。最終盤の国会、政治資金規正法に加え、残された政府提出法案の成立に向け、一層の緊張感を持って臨みたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げる。
浜田国対委員長からは、決算行政監視委員会は、先ほどまで総理出席のもと、令和2年度・3年度・4年度決算の締め括り質疑を行い、これから採決するところ。
明日の本会議は、永年表彰、決算の採決、情報監視審査会の年次報告を行う。所要は20分程度を見込んでいる。
明後日19日(水)15時から、党首討論を行う。約3年振りの開催となる。
議運において、各委員会での参考人質疑の際、オンライン出頭を認めることで合意した。各党の手続きが終わり次第、「衆議院規則」を改正する。
会期末にあたり、すべての提出議案の成立に向けて、参議院を全力でサポートしていく。また、不測の事態に備えて、万全の態勢を整えていきたい。
石井参議院国対委員長からは、今週は、今国会において重要な1週間となる。本日、立憲民主との国対委員長会談を行い、今国会における残る法案の審議日程等、最後の詰めの協議を行った。
政治改革特別委員会は、本日、政治資金規正法案について、10時に開会し、2時間の質疑を行った。明日18日(火)は、国対間の合意に基づき、各常任委員会終了後の16時に開会し、総理に対する質疑を1時間45分行う予定。
その後の議事(討論・採決・附帯決議等)は明日、国対間協議を行い、また現場でも協議を行い、決定して参りたい。
明日18日(火)は、政治改革特別委員会の他、8常任委員会が開かれる。内閣委員会において日本版DBS法案、子ども貧困対策法案、総務委員会において地方自治法案、農林水産委員会において漁業法案、経済産業委員会において消費生活安全法案、以上について採決を行っていく。
現時点における、政府提出法案の成立は、62件の内、57件。92パーセントの成立率。そして、明日が終わると、これが61件までいくということでありました。
今常会を成果ある国会に仕上げて行くため、衆議院と連携を密にし、臨んで参るので、よろしくお願いするという発言がありました。
質疑応答
- テレビ朝日です。世論調査について伺います。週末にANNで行った世論調査では、内閣支持率が19.1%と2012年に自民党が政権復帰をして以来、初めて2割を下回りました。また別の調査では政権政党としての自民党支持率が2001年以降初めて2割を切るという結果も出ていて、依然として国民の不信感を拭いきれない状況です。調査の結果についての受け止めと、今後どうすれば政権や党の浮揚をはかれるか、幹事長のお考えをお聞かせください。
- 政治資金の問題をめぐって、わが党に対し、国民の厳しい目が向けられています。謙虚に受け止め、「政治資金規正法」の改正を今国会で必ず成し遂げたいと思っております。その上で、各社の世論調査の結果を見てみますと、国民の皆様が政治に期待する取組みとして、特に重要だと、回答が多いのは、物価高対策、それから景気回復、こども・子育て支援など、聞き方によって違いますけれども、ジャンルで言いますと、こういった物価高対策、景気対策、こども・子育て支援など、わが国が直面する重要課題が挙げられているところであります。
政権与党として、こうした内外の重要課題を1つずつ解決していくことで、国民の皆様の信頼回復に努めていきたいと、こんなふうに考えております。
- 日経新聞です。日銀は3月のマイナス金利政策の解除に続き、先週、長期国債の買い入れを減らすと決定しました。一連の金融引き締めについて幹事長は支持されていますでしょうか。また今後は、金融引き締めによって例えば、住宅ローン金利などが上昇する可能性があります。政府与党として、こうした金融引き締めの副作用に対して対策が必要だとお考えでしょうか。
- 金融政策の具体的な手法については、日本銀行に委ねられるべきと考えておりまして、国債購入の減額については、来月の会合で具体策が示されるとのことなので、現時点ではコメントは控えたいと思っております。その上で、日銀には、物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて、また円安・物価高の国民生活への影響も踏まえて、適切に金融政策の運営を行ってもらうことを期待致したいと思います。
住宅ローンの話でありますけれど、見てみますと、かなり固定金利で借り入れてる方も多いようであります。更には住宅ローン減税、これも期間も延ばしたというかたちで、これを比較的フル活用していただけるのではないかなと考えておりまして、これは金利が急にアメリカのようになるという話ではないと思っておりますが、いずれにしても今後の動向、これがどう国民生活に影響を与えるかと、こういったこともしっかり見ていきたいと思います。
- 共同通信です。さきほど冒頭にも言及がありましたが、先週、世界経済フォーラムの発表したジェンダー・ギャップ指数について、日本は昨年に比べ上がったものの118位でG7最下位となりました。政治分野につきまして、先ほどサイトのお話などもありましたけれども、今後どのような取り組みが必要と考えるかお聞かせください。
- 世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数」は、経済、教育、健康、政治の4分野での男女間格差を数値化したもので、わが国はとくに政治と経済が極めて低い水準にあるわけであります。政治では、女性の国会議員比率が11.5%ということで、146カ国のうち129位で、早急な改善が求められていると。そこでわが党としては、先ほど申し上げたような「女性議員の育成・登用に関する基本計画」の取りまとめを行って、比率を今後10年間で30%まで引き上げていくという野心的な目標を掲げ、その実現に向けた様々な施策を進めているところであります。今日、申し上げた新たなサイトの開設というのも、その一環になってくると考えているところであります。
政権与党である自民党が、この問題についても全体を引っ張っていかなければならないと考えております。わが党が女性議員の比率を大幅にアップするということによって、やっぱり自民党というのは多様な考えを受け入れる政党なんだなと、また生活感覚のある政策というのを打ち出す政党なんだなと、こういう国民の意識が生まれると、他党もそれに負けないように頑張ると、そういうことで取組みを進め、全体のレベルが上がっていくことを期待したいと思っております。
- (鈴木貴子副幹事長): 今回のウェブサイトも茂木幹事長の肝煎りでといいますか、大変力強いサポートで、何が力強かったかと言いますと、自由に伸び伸び作らせていただいたということです。そこにまさに自民党としての本気度というものを私は感じたところでありますし、これまでの女性候補者支援、女性議員支援というのは、やはり個人に大きく委ねられていた。自民党として推薦をしている、もしくは公認している、研修を行っているのであれば最初から最後まで、仮に一度の選挙で当選が出来なかったとしても、その後のキャリアについてもしっかりと責任を示していく。それが例えば、パワハラであるとか、セクハラであるとか、票ハラであるとか、マタハラ、ありとあらゆるハラスメントの対応についても個人に委ねるのではなくて、党としてしっかりとサポートしていくということを明確に打ち出させていただいたというのは、大変大きな前進でありますし、他党に先駆けた取組みをさせていただいたと自負しております。ぜひ、今日からこのサイトも公開されておりますし、爽やかなスカイブルーで、女性の無限の可能性と、そしてまた既存の枠組みにとらわれない、自民党しての新しい女性の支援というものをイメージとしても、ビジュアルでも示させていただきましたので、ぜひ皆さんも一度お目通しいただければ大変幸いです。
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(牧島副幹事長):基本計画を事務局長として取りまとめ、各種の支援のメニューを拡充してきました。予算的措置に関しては、茂木幹事長のご支援もいただき、またメンターシップも今の新人女性支部長に一人ずつしっかりとついている状況でございます。自民党の政策理念を信じて、各級の候補者として活動したい、勉強したいと思っている仲間たちが大勢おります。
今回立ち上がりましたホームページを通じて、国会議員だけではなく、地方議会の活動の様子も本当にそれぞれの実体験を踏まえたストーリーでお伝えをすることにより、その中身をご理解いただいた上で仲間を増やしていくという運動に展開していきたいと思っております。ぜひ、ウェブページをチェックしてみてください。
- 中国新聞です。選挙違反で当選無効となった議員に歳費を返納させる歳費法改正について伺います。広島での大規模買収事件を機に見直しの議論が始まりましたが、今国会の会期末が迫り、先送りとなる可能性が高い状況です。特に今国会は政治改革が叫ばれ、党の政治刷新本部での論点の一つに掲げられておりました。それであっても、改正に至らない要因は何でしょうか。また、今後どう実現していかれるかお考えをお聞かせください。
- 当選無効となった国会議員の歳費を返納させる制度の創設については、私としては進めるべきだと考えているところであります。これはやはり、こういう政治資金に関わる問題、歳費に関わる問題ですから、出来るだけ与野党で合意をして、成果を得たいと、出来ないことではないと思っているのですが、今、与野党間で調整が進められていると、この国会においても。出来るだけ協議というのを前進させてほしいと、そんなふうに思っております。