2023年12月19日(火) 10:20~10:40
於:党本部平河クラブ会見場
【冒頭発言】
本日の役員会・役員連絡会の概要を報告いたします。
岸田総裁からは、先週末から3日間、日ASEAN友好協力50周年特別首脳会議を開催した。会議では「共同ビジョン・ステートメント」を採択し、人的交流、経済、政治安全保障と幅広い分野で具体的協力を進めることで一致し、日本としても、具体的なアクションを打ち出した。また、初のアジア・ゼロエミッション共同体首脳会合を開催し、基本原則を含む共同声明を合意した。4000兆円以上が必要とされるアジアの脱炭素を日本の技術力と金融力で支えていく。
一昨日のミサイル発射に続き、昨日は、北朝鮮がICBM級とみられる弾道ミサイルを発射した。北朝鮮の一連の行動は断じて容認できない。昨日は、ASEAN各国からも、懸念を共有する声が上がった。情報収集・警戒監視に日米・日米韓でさらに緊密に連携していく。
また、医療・介護・障害福祉のトリプル報酬改定では「公的賃上げ」を最重視し、医療福祉従事者の賃上げを実現するために必要な水準を措置することとした。
政策集団の政治資金の問題については、当局の捜査が行われており、影響や予断を与えることは控えなければならない。
他方で、捜査の進展とともに、全容・原因・課題等が明らかになってくるものと認識している。これらの推移を見ながら、しかるべきタイミングで、党としても国民の信頼回復のための新たな枠組みを立ち上げるなど、必要な対応を果断に講じていきたい。
予算編成をはじめ、重要政策の決定が大詰め。また、来月には、通常国会が始まる。さらに、来年は、外交、経済、社会ともに日本は正念場を迎える。
こうした状況を踏まえ、先週行った一部閣僚、副大臣等の人事については、調整力・実行力・答弁力を兼ね備えた即戦力の人材を任命した。役員の皆様のご理解とご協力をお願いしたい。
麻生副総裁からは、この一年間、大変お疲れ様でした、来年もよろしくお願いします、という発言がありました。
私からは、この週末、日・ASEANの「友好協力50周年特別首脳会議」が東京で開催された。ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ問題などによって、世界で分断と対立が深まる中、自由で開かれたインド太平洋の要であるASEANとの結束を高め、経済や安全保障など幅広い分野で協力の強化を確認する重要な機会になったと思う。
先週、臨時国会が閉会した。限られた会期内に、新たな「総合経済対策」を実行するための「令和5年度補正予算案」、そして政府提出の12法案も全て成立させることができた。政策面では、成果の大きい国会だったと思う。ご尽力いただいた多くの皆様に改めて感謝申し上げる。
今週は、予算編成に向けた議論がいよいよ大詰めとなる。政府には、党で取りまとめた「大綱」に基づき、編成作業をしっかり進めていただきたい。
各政策グループの政治資金パーティー問題で、自民党全体に厳しい目が向けられており、危機感を持って対応しなければならない。まだ、事態の全容は見えていないが、少なくともパーティーの収支について十分な透明性が確保されていなかった。これが問題の一因になっていることは明らかだと思う。総裁も改革の先頭に立つとおっしゃっており、制度面や運用面を含めた改革について、早急に検討を進めていきたい。
今年も残り2週間を切った。一年間の党運営に対する役員各位のご協力に心から感謝申し上げる。来年も引き続き、山積する内外の厳しい課題解決に向け、より一層の緊張感を持って臨みたいと思う。
なお、新年最初の役員会は1月5日金曜日11時15分から開催する。役員連絡会はそれに引き続き、11時30分から開催する。
髙木国対委員長からは、先の第212回臨時国会では、役員の先生方には、ご協力をいただき 感謝申し上げる。「補正予算」をはじめ、新規提出閣法12件、条約1件、継続2件のすべてを成立させることができた。また、議員立法においても「被害者救済法」などを成立させ、限られた日程のなかで成果を上げることができ、会期末の「官房長官不信任案」や「内閣不信任案」の否決も含め、あらためてご協力に感謝を申し上げる、との発言がありました。
野上参議院国対委員長からは、先の臨時会においては、補正予算、そして全ての法案を成立させ、滞りなく終えることが出来た。
皆様のお力の賜物であり、心から感謝申し上げる。
閉会中においても、いかなる事態にも対応出来る様、衆参連携を密にし、臨んで参る。
関口参議院会長からは、臨時国会では、大変なご協力をいただき感謝申し上げる。先週14日に世耕弘成君より幹事長の辞表が提出された。本日13時より参議院の特別総会を開き、この取り扱いについて協議する。また、後任の幹事長が決まるまでの間は、岡田幹事長代行と牧野幹事長代理が、その職務を執行する。年明けの通常国会も衆議院と緊密に連携してまいりますので、引き続き、よろしくお願いする、との発言がありました。
岡田参議院幹事長代行からは、関口会長の報告の通り、幹事長が不在の間、牧野幹事長代理と共に代わりを務めるので、よろしくお願いする。臨時国会では、大変な協力をいただき感謝申し上げる。おかげで出口を預かる参議院としての責任を果たすことができた。来年の通常国会も引き続きよろしくお願いする。年が明ければすぐに京都市長選挙が行われる。新年初めの大きな選挙の勝利に向けて、参議院としても比例代表議員を中心にしっかりと応援体制を整えていく、との発言がありました。
小渕選対委員長からは、今年一年を通じて、統一地方選挙を始めとして多くの選挙が行われた。特に春と秋の衆参補欠選挙においても、役員各位に大変なご支援をいただき、改めて感謝申し上げる。来年も、京都市長選挙を皮切りに重要な選挙が続くので、引き続きご支援ご協力のほど、宜しくお願い申し上げる、との発言がありました。
萩生田政調会長からは、北朝鮮が、一昨日、昨日と2日連続でミサイルを発射。これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、わが国および国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できない。政調としては、国防部会・安全保障調査会を中心に、政府と連携しつつ、今後の動向を注視してまいりたい。
先週木曜日、来年度税制改正大綱、予算編成大綱の党内手続き、与党手続きを行った。来年度予算については、先週から各部会において予算額も含めた議論を行っており、本日8時からの政調審議会において、各部会から最後に残った最重点事項について報告を受けた。また、この後10時から政審を再開し、閣議決定案件1件、これはジブチの自衛隊に対する新たな任務付与でありますが、および政府への提言3件の審査を行う。なお、来年度予算については、本日と明日の大臣折衝を経て、22日に政府側から概算が提示される見込みなので、その際は速やかに政調審議会で審査した後、総務会にお諮りしたい、との発言がありました。
森山総務会長からは、総務会は、本日11時より開催する。案件は、政務調査会から「令和6年度予算の審議状況」の報告など2件、ならびに人事案件をお諮りする。なお、総務会は、今週22日金曜日も開催し、政務調査会からの案件を審議する予定との発言がありました。
その後の役員連絡会では、各役員より役員会と同様の発言に加えて、平井広報本部長からは、直近の世論調査結果について、ご報告がありました。
役員会・役員連絡会の概要は以上です。
質疑応答
- NHKです。東京地検特捜部が、先ほど、政治資金規正法違反の疑いで安倍派と二階派の事務所などの捜索を開始しました。派閥への強制捜査という異例の事態を迎えたわけですけれども、幹事長の受け止めを伺います。
- このような事態に至っていることを大変遺憾に思っております。厳粛に受け止め、今後の捜査の推移もしっかりと見守りつつ、必要な対策を取って参りたいと考えております。
- NHKです。役員会の中で総理から、党としても国民の信頼回復のための新たな枠組みを立ち上げたいというお話があり、また幹事長からも改革案の早急に提出を進めたいと述べられていたと思いますが、新たな枠組み、改革案、これについて執行部の中で具体的な検討というのは進んでいるのでしょうか。
- 新たな枠組み、どのようなものにするか早急に検討したいと思います。今日の役員会で、出た内容については先程お話した通りでありますが、それぞれやはり様々な見直しというのが必要であろうという話はしております。今後、何らかの会議体を作るのか、どうするのかということは検討いたしますが、早急にこうやったら政治の透明性が確保できる、こうやったらこういう事態が二度と起こらないようになる、そういう対策はしっかりと立てていきたいと思っております。
- 北海道新聞です。政治資金規正法の改正についてお伺いいたします。安倍派が政治資金パーティーの収入を裏金化していた問題に関連しまして、政治資金規正法の改正が必要との指摘がなされています。総理も昨日、法改正について否定するものではないとの考えを示し、幹事長も昨日、言及されました。あらためて改正が必要かどうかのお考えをお聞かせ下さい。また、法改正する場合、来年の通常国会での議論が望ましいのかどうか、そちらも合わせてお願いいたします。
- 以前から申し上げておりますように、事件の概要、これがもう少し見えてきた段階でどこに問題があるのか、またその原因がどこにあるのかと、そういったことを見極めながら、改革案を作っていきたいと思っております。少なくとも、現段階において、派閥のパーティーの政治資金について十分な透明性が確保されていなかった、このことも、このような事態に至った原因であろうという風に考えています。では、その透明性を確保するためにどうするのかと、例えばでありますが、申し上げておりますように、この派閥のパーティーについて議員がパーティー券を販売するにしてもその購入については直接派閥の方に、銀行口座で振り込んでもらうと、こういう対策も必要であると思います。またパーティーの売り上げというか、それに応じて何らかの返還を行うということも自制すべきではないかなと、自粛すべきではないかなと考えております。
さらにはこのパーティー、派閥が主催するにしても、このパーティーの収支について、党としても責任を持って関与すると、しっかりチェックをすると、またその結果も公表する。党も説明責任をしっかりと果たせるようにすると、こういった対応も必要だと思っております。こういったことはある程度、自民党として完結できる内容なのではないかなと考えております。自主規制と言いますか、そういったことで徹底をしていく。
こういう問題だと思っておりますが、一方で政治資金規正法に関する問題でありますけれども、現在、見えているところでは政治資金規正法にどんな問題があるか、これが明らかになっているわけではありませんけれど、現行の政治資金規正法であっても、それが守られていなかった。こういったことが少なくとも報道されているところでありまして、では、これをきっちり守るためにはどうすることが必要なのか、更には先程申し上げた政治資金の透明性、こういう観点から政治資金規正法について、改革が必要か否か、こういったことも議論していく必要がある。こんなふうに考えております。
- 時事通信です。時事通信が今月、実施した世論調査で、内閣支持率が前月比4.2ポイント減の17.1%と政権復帰後最低となりました。各社の世論調査でも支持率は下落傾向となっていますが、幹事長の受け止めをお聞かせ下さい。
- 厳粛に受け止めております。今、物価高の問題などによって、国民生活が厳しい状況を抜け出していない、そういった中で、政治資金の問題について様々な指摘がなされ、国民の皆様の疑念というのが拡がっていると、このことを深刻に受け止めなければならないと思っております。その上で、政治資金の問題もそうでありますが、内外の課題について1つ1つの課題に正面から取り組み、やるべきことをしっかりやり通すことが必要だと思っております。政治資金の改革については先程の質問にお答えした通りです。
- 東京新聞です。自民党の政治資金パーティーを巡る問題で、安倍派の池田佳隆議員の事務所が、キックバックされた資金について「党から派閥を経て支払われる政策活動費と認識し、政治資金報告書に記載していなかった」とコメントしました。政策活動費は政党から議員個人に支出される政治資金ですが、派閥から議員個人に支給されるといったことがありえるのでしょうか。また、政策活動費は、使途の公表義務などがなく、見直しが必要との声も挙がっておりますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
- 正確にお答えしたいと思います。わが党の「政策活動費」は、党に代わって党勢拡大や政策立案、調査研究を行うために、従来より党役職者の職責に応じて支出されているものであり、政治資金規正法及び関係法令に則って、適切に処理されております。その詳細につきましては、総務省で公表されている党本部の収支報告書の記載の通りであります。