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役員会後 茂木幹事長記者会見

2023年12月4日(月) 17:35~17:50
於:党本部平河クラブ会見場

茂木幹事長

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【冒頭発言】

本日の役員会の概要を報告いたします。
岸田総裁からは、経済対策の裏付けとなる補正予算については、与党のみならず国民民主党、日本維新の会の賛成を得て成立した。党派を超えて幅広いご理解を得ることができたものと受け止めている。ご尽力いただいた党役員各位に心から感謝申し上げる。
その際、議論となったトリガー条項の取扱いについては、萩生田政調会長に対して、与党と国民民主党の政策責任者のもとで検討を進めるよう指示した。党政調と党税調の相談のもと、検討が進められていくものと考えている。3党間の協議を踏まえつつ、政府としても適切に対応して参りたい。
COP28においては、多様な道筋の下でネット・ゼロという共通の目標を目指すべきとのわが国の立場を発信した。「日本は排出削減対策の講じられていない新規の国内石炭火力発電所の建設を終了していく」との表明を行った。また、2030年までに世界全体の再エネを3倍、エネルギー効率を2倍にするとの目標に多くの国とともに賛同した。さらに、2050年までに原子力を3倍にするとの目標にも相当数の国々とともに賛同した。
イスラエル・パレスチナ情勢については、COP28の機会に、イスラエルの他、カタール、トルコ、エジプト、ヨルダンといった地域のキープレイヤーの首脳と直接会談を行い、また、イラン大統領と電話会談を実施した。人質の即時解放、人道状況の改善や事態の早期沈静化に向け、G7の場を含め、外交努力をさらに積極的に続ける。
先週のオスプレイ墜落事故については、地域の皆様に大きな不安を与えるものであり、誠に遺憾。米側に対し、安全が確認されるまでのオスプレイの飛行停止を引き続き求めていく。
各派閥の関係団体における政治資金収支報告書について訂正が必要な場合には、適切に訂正を行うとともに、丁寧に説明するよう幹事長を通じて指示しており、引き続きしっかりと対応をお願いしたい。その上で、各政策グループの活動について、国民に疑念が持たれるとすれば遺憾であり、状況を把握しながら、党としても対応を考えていく。
いよいよ12月。トリプル改定、予算、税制などの取りまとめなど、今年も大詰めを迎えている。引き続き、役員各位のご協力をお願いする。
麻生副総裁からは、特段のご発言はありませんでした。
私(茂木幹事長)からは、岸田総理は先週30日からUAEを訪問し、COP28に出席をした。世界の排出量の半分を占めるアジアにおいて、わが国の技術や能力を総動員し、脱炭素社会の実現をリードしていくとの決意を世界に示すことができたのは、大きな意義があったと考えている。
先週29日、令和5年度「補正予算」が、維新、国民民主の賛成も得て、成立した。国対や参議院はじめ関係者のご尽力に改めて感謝申し上げる。今後、速やかな執行を図り、各施策を一日も早く国民の皆さんのもとに届けていきたいと考えている。
今国会も残り10日となった。引き続き、出口を預かる参議院と緊密に連携しながら、最後まで緊張感を持って臨みたいと思う。また、冒頭総理から話のあった問題指摘や国民からのご批判についても、謙虚かつ深刻に受け止め、誠実に対応していきたいと思う。
先般逝去された故保利耕輔先生について、自由民主党と保利家との合同葬を、今月20日・水曜日の11時より築地本願寺で執り行う。なお、ご遺族のご意向により、葬儀委員長は私が務め、副委員長をご地元の古川康先生が務めることとなった。
髙木国対委員長からは、法務委員会で審査中の「被害者救済法」につき、与野党の答弁者間で協議が続いているが、明日の委員会で採決のうえ、13時の本会議に上程することを確認している。
7日(木)13時の本会議で、細田前議長に対する追悼演説を行う。演説者は山口議運委員長。
予算委員会の集中審議については、8日(金)午前中の開催を念頭に理事懇で協議する。
野上参議院国対委員長からは、本日は拉致問題特別委員会を、衆議院に続いて14時15分に開会し、1時間30分の質疑を行なった。明日5日(火)は、7常任委員会が開かれる予定。
今国会は、土日を除くと、本日を含めあと8日となる。これから衆議院から送付される議員立法を含め、残る法案の成立に向けて、全力で取り組んで参る。
関口参議院会長からは、会期もあとわずかとなってきたが、残る法案を成立させるため、衆議院と緊密に連携して、しっかり取り組んで参る。
世耕参議院幹事長からは、今国会の会期も残り1週間余りとなり、野上国対委員長を中心に、国対、各委員会の現場で大変な努力をいただいている。さらに高い緊張感を持って、出口を預かる参議院としての責務を果たしていきたい。
小渕選対委員長からは、選挙対策委員会では、先週、2回目となる正副委員長打合会を開催した。今後、会議を定例化し、担当と具体的な取組み事項を定め、選挙対策にあたっていきたい。
萩生田政調会長からは、先週金曜日の政調全体会議で、「来年度予算編成の基本方針(案)」の取扱いにつき、私にご一任いただいた。本件については、明日の政調審議会で審査を行い、了承した場合は、速やかに総務会にお諮りしたい。
先週木曜日、自民、公明、国民民主3党の政調会長で、トリガ-条項の扱いに関する今後の協議の進め方について意見交換を行なった。その結果、3点。一つは、現在進行中の税制の議論との混同を避けるため、トリガー条項凍結解除は、来年度税制改正の議論の俎上には載せない、2つ目、ただし、今後、トリガー条項凍結解除についても検討していくということは、何らかの形で「令和6年度税制改正大綱」に記載する、3点目、今後の協議の中で、どういう結論になったとしても、関係者の皆さんに不安を与えないよう丁寧な対応をしていく、この3点を確認した。今後、各党1名ずつ実務者を出し、具体的な対応について協議していくことになった。
森山総務会長からは、総務会は、明日5日(火)11時より開催する。案件は、「令和6年度予算編成の基本方針(案)」の審議を予定している。
役員会の概要は以上です。
なお私の日程ですが、今週末12月9日(土)に大阪へ出張し、自民党大阪府連大会に出席する予定です。

質疑応答

Question
NHKです。派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について伺います。役員会の中でも岸田総理から「党としても対応を考えていく」という発言が改めてあったということですけれども、総理は、先週も同様の発言をされています。党としての対応について現時点で具体的に検討されている対応はあるのでしょうか。
Answer
まず、全体の話からさせていただきますと、ご指摘の件については、すでにお話しをしているように、各政策グループの責任者に対して、改めて精査の上、必要な訂正を行い、しっかりと説明するよう要請しております。また、先日来の報道については、承知をいたしておりますが、これに関しては、告発を受け、現在、捜査も行われているのではないかと思いますので、個別、具体のコメントは控えたいと思います。その上で、事案の概要がある程度、把握でき、問題点も明らかになってくれば、党としても、その問題に対応し、再発防止を図る取組みを進めたいと思います。
Question
TBSです。弊社の世論調査では、自民党の5つの派閥の政治団体がパーティー券収入の一部を政治資金収支報告書に記載していなかった問題について、89%が「問題がある」と答えました。また、この問題について岸田総理の説明が「十分ではない」と答えた人は73%でした。先ほど冒頭発言の紹介もありましたけれども、国民は今回の政治とカネの問題について十分な説明を求めています。改めて、この世論調査の結果について幹事長の受け止めを伺います。
Answer
先日来、大きく報道されている問題でありまして、国民の関心も高いと受け止めております。まず、パーティーを主催している各政策グループには、すでにしっかり説明するよう要請しているところでありますが、引き続き、十分な説明に努めてもらいたいと思います。党としての対応については、先ほどお話しした通りで、深刻に受け止め、問題点やその原因を踏まえ、今後、このような問題が起こらないような対策、再発防止策をしっかり取っていきたいと思います。
Question
朝日新聞です。岸田総理が政調会長だった2019年に、旧統一教会の友好団体のトップと面会していたということを、複数の教団関係者が朝日新聞の取材に証言しました。この点について総理は面会はギングリッジ元米国下院議長とのものであって、同行者について記憶がないと述べられておりますけれども、首相の事実確認と説明は十分とお考えでしょうか。また、昨年の党の調査の項目には無い点でありますけれども、過去の面会について、党として何か調べるお考えはありますでしょうか。
Answer
もう一度、質問の趣旨が分からないのですが、私に総理がきちんと十分に点検をしたかどうかと聞かれても、私に関する問題でしたら点検したかどうかお答えできると思うのですけれど、総理は点検したと言われているので、それは点検されたのだと思うのですけれども、十分に点検されたかどうか、それはご本人にお尋ねいただかないと私には分かりません。
Question
朝日新聞です。過去の党の役員としての面会だったわけですけれども、今後調査するお考えはあるのでしょうか。
Answer
党として、面会記録等々を残しているわけではありませんので、それを確認するというのは難しいのではないかと思いますけれども。
Question
ニッポン放送です。政治資金パーティの問題ですけれども、改めまして、この問題は議員自身の当事者意識を持って向き合うべきなのか、事務方の問題に過ぎないものか、その辺りのご認識をお伺いします。
Answer
決して事務方の問題だとは思っておりません。主催しているのは各政策グループでありますけれど、これは政策グループだけではなくて、党に対しても厳しい目が向けれられていると、こういう思いで先ほど申し上げたような対応をしていきたいと、こんな風に考えております。