党中小企業・小規模事業者政策調査会(会長・伊藤達也衆院議員)と党競争政策調査会(会長・山際大志郎衆院議員)は合同で構造的な賃上げ環境の実現に向けた提言を取りまとめ、3月12日に岸田文雄総理に申し入れを行いました。
日本経済の最重要課題である「構造的な賃上げ」に向けて提言では、労務費の価格転嫁、独禁法の優先的地位濫用行為規制の徹底を求めました。特に労務費の価格転嫁対策について、政府が示している労務品の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針について「行動指針に沿わない行為に対しては公正取引委員会において、法律に基づき厳正な対処が必要」と求めました。
また現行の下請法については、改正から約20年が経過し、経済実態が大きく変化していることから「現行の制度が十分かどうか、検討を行う時期に来ている」と指摘。公正取引委員会による取り組みにとどまらず、各省庁のリソースとも連携した「面的な執行」を図る重要性を強調。「下請」という用語についても、発注者との対等な関係ではない語感を与えることから、「適切な報酬が支払われる観点も含め、用語の見直しも検討すべき」と提言。価格を据え置く「買いたたき行為」への規制については、下請法の運用基準を見直す等、さらなる検討を要望しました。約束手形については令和8年を目途とした廃止への取り組みが重要で、「廃止に向けたプロセスも示せるよう、下請法における約束手形の取り扱いも含めた検討を」と求めました。
構造的な賃上げ環境の実現に向けた提言(中間論点整理)
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