岸田政権の経済政策の継承と発展を
地方創生や防災庁の設置は石破政権の目玉政策であり、しっかりと推進していただきたいが、経済政策の骨格においては岸田政権の経済政策の継承と発展に取り組んでほしい。
岸田政権は約3年にわたり日本経済のさまざまな課題に取り組み、一定の方向性を示した。今年の春闘では33年ぶりの賃上げ率を達成し、名目GDP(国内総生産)は年率換算で600兆円を超える等、日本経済をデフレ脱却まであと一歩のところまで拡大させた。また、(1)「新しい資本主義」の推進(2)こども未来戦略「加速化プラン」の策定(3)「資産所得倍増プラン」の策定(4)経済安全保障の強化(5)原発の再稼働やGX(グリーントランスフォーメーション)等を含むエネルギー政策の転換(6)DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進(7)最低賃金の大幅な引き上げといった、数々の実績を残した。
とはいえ、日本経済の再生はまだ道半ばだ。これから、賃上げと投資がけん引するような成長型の経済を定着させていかなくてはならない。実質賃金が持続的に上昇していくか否かが大きなポイントで、労働生産性の向上や価格転嫁対策の強化等が必要になる。
成長か分配か」という二元論がある。重要なのは成長と分配の二兎を追うことだ。
具体的に、石破政権が取り組むべき課題は、以下の6点である。
第一に、継続的な賃上げを実現するためには、労働生産性を引き上げることが喫緊の課題だ。そのため...