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メディア短評 日暮高則(アジア問題ジャーナリスト)

ウクライナ侵略後ロシアで開催されたBRICSサミット
各紙社説はロシアの"下心"を指摘し、批判的な論調に

BRICSという言葉を音で聞くと、砕けた「レンガ(brick)」のかけらを集めたような印象を受ける。だが、実は中国、ロシアのほかに地域大国のインドやブラジルも加わる巨大グループなのである。その上、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の資源国も構成国で、最近では、インドネシア、ベトナム等、ASEAN(東南アジア諸国連合)の4カ国やNATO(北大西洋条約機構)加盟国のトルコも参加の意思を表明している。
この組織はもともと西側先進国の世界的な経済支配に反発してできた、緩やかな多国間の協力機構である。巨大市場を持つ中国や資源大国のロシアが原構成国であるため、その後に多くの国々がさまざまな経済的な利益を求めて参加してきた。ただ、中ロ2つの大国には別の思惑が生じたようだ。BRICSを通じて自らの政治的な立場、行動を世界に認めさせようとする狙いで、ロシアにとってはウクライナ戦争の正当化、中国にとっては台湾統一への共感、南シナ海支配への承認がそれに当たる。
10月下旬、ロシア中部の都市カザンで開かれたBRICSサミットのテーマは「公正なグローバル開発と安全保障のための多国間主義の強化」で、経済的な視点だけでなく、安全保障面での協調もうたわれた。ウクライナ侵略後にロシアで開催される初めての大きな国際会議であり...

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