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メディア短評 日暮高則(アジア問題ジャーナリスト)

中ロ首脳会談 全国紙は一様に懸念表明 中国側に米国への反発があることを指摘

1938年、「この地にはドイツ人住民が多い」との理由でドイツがチェコスロバキアのズデーテン地方を占領、この暴挙をミュンヘン会談で英仏が追認してしまった。勢いづいたドイツは翌年8月、北の大国ソ連と「不可侵条約」を結んでポーランド分割の密約を交わし、直後に同国へ電撃侵攻、分割を実現させた。独裁国家の侵略には必ず"前触れ"となる動きがあり、描いた構図が思い通りになると、必ず行動をエスカレートさせるものだ。
今振り返れば、2014年、ロシアによるクリミア半島占拠で米欧諸国は激しい反発行動に出なかった。その結果、ロシアはウクライナ全土支配の野心を持ち、22年に侵攻を始めた。では、ポーランド侵攻時のような事前に大国間の密約はあったのか。プーチン大統領は侵攻20日前の同年2月4日、五輪開幕式参列のため北京を訪れ、習近平国家主席と会談、「限りのない中ロ協力」を確認したという。ここで大国間の"密約"ができたのではないか。
それでもウクライナ戦争で中国は当初、ロシア支援を明確にしなかった...

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