次期衆議院議員総選挙での初当選を目指し、日々奮闘中の新人女性支部長たち。
小倉將信衆議院議員、小林史明衆議院議員も加わり、公募や支部長選任までの道のり、
日々の活動やこれからの自民党について本音で語ります。

取材日:令和6(2024)年2月16日

私が議員を志したきっかけ
自民党から立候補する理由とは?

小林史明衆議院議員(以下、敬称略)

国会議員を志したきっかけと、なぜ自民党から立候補しようと思ったのかを聞かせてください。

向山淳北海道第8区支部長(以下、敬称略)

私は、海外で長く暮らしてきた経験があるからこそ、歴史文化・治安・政治的安定・社会保障制度など様々な面で日本の良さを実感しています。日本の潜在力を活かし、前向きな未来を創りたいと国会議員を目指しています。
総合商社で13年間働き、国内外で発電所や港湾などのインフラ開発、企業再生、インターネット事業などに取組んできました。世界の安全保障環境の変化や経済の厳しさを実感する中で、それらに対応する現実的な外交・安全保障、経済政策をわが国で責任を持って進められるのは自民党しかないと思いました。
その一方で、自民党には足りないと感じる分野があります。例えば、女性や子育てに関する政策立案において、それを議論している人たちの性別や年齢は多様性に欠けているのではないかと…。多様性の一端を私自身が担いたいという気持ちを持っています。

小林

志のある皆さんに応えられるよう、自民党としても、本気で取組みます。党改革実行本部では、党の運営指針となる「ガバナンスコード」で多様な人材の育成と登用 を明記しました。女性議員の育成、登用に関する基本計画を策定し、10年間で自民党の国会議員の女性比率を30%まで引き上げる目標を掲げています。
自民党は国民政党です。社会の課題を解決し、持続可能な国をつくるには、政策を立案する側が多様でなければいけません。女性議員の活躍は自民党が進化し、新たな政治を切り拓いていくために不可欠です。

福田かおる東京都第18区支部長(以下、敬称略)

私は14年間、農林水産省に勤めていました。政治に近い環境で働く中で、政治が変われば日本はもっと良くなると確信し、自分でやってみたいと思ったのが国会議員を志したきっかけです。
7年間で海外21カ国に滞在しましたが、やはり一番好きなのは日本。だからこそ“日本の未来のために”働かれている政治家が多い自民党を選びました。
さらに、尊敬する先輩がいるのも理由です。政策を無責任に批判するのは簡単で、誰にでもできます。本当に難しくて大変なのは、実行していくこと。大勢の人たちとさまざまな調整をし、組織をマネジメントしながら、果敢に挑んでいるのが自民党の先輩方。その一人が小林議員で、私が農林水産省にいた時に若手の国家公務員との勉強会を開催してくださるなど、当時からお世話になっていて、ぜひ一緒に働きたいと思いました。

小林

「一緒に働きたい」と言ってもらえるのはうれしいですね。

門寛子東京都第8区支部長(以下、敬称略)

私は20年前に、経済産業省に入省し、最後の2年間は首相官邸スタッフ(内閣総理大臣補佐官付秘書官)を務めました。ガソリン価格の高騰対策や重要鉱物の供給網強化など、経済と外交が交差する分野の最前線で働きながら感じていたのは、経済の再生や利益ある産業の創出にはさらなる議論が必要だということ。そうした時、私の生まれ育った東京都杉並区で候補者を公募していることを知り、思い切って応募しました。
自民党を選んだのは、立党宣言 の「政治は国民のもの」に共感したからです。“国民”には自民党員以外の人や、党の政策に反対する人も含まれ、これこそが国民政党であり、責任政党だと思いました。

小倉將信衆議院議員(以下、敬称略)

国民から選ばれた政治家が意見を出し合い、それぞれの意見を聞いた上で、一つの結論を出す。政治は、こうした過程が非常に重要です。それを昭和30(1955)年の立党以来続けてきたのが自民党であり、その丁寧な手法を働きながら学べるのも利点です。

大辻沙耶大阪府第11区支部長(以下、敬称略)

私も海外生活が長く、また仕事でも海外の方々と接する中で、日本を客観的に見る機会がたくさんありました。本当に良い国だと思う一方で、本来の可能性を生かし切れていなくてもったいないなと感じる部分もあり、日本に帰国した中学生の頃から漠然と政治に関心を持っていました。
その後も興味は持ち続けていたものの、政治家の家系ではありませんし、どうしたら政治家になれるのかも分からず、大学卒業後は民間のコンサルティング会社に就職。公共部門クライアントに対して、海外調査等を通じた政策立案を手がけました。しかし、案件として依頼されるテーマをこなすだけでなく、自らが問題提起できる政治家という立場から日本を変えたいという決意で国政に挑戦することにしました。
政策実現力という点において、人材の質もこれまでの実績を見ても自民党以外の選択肢は考えられず、女性局が主催している「女性未来塾特別講座 女性候補者育成コース 」を受講。そこで初めて国会議員とお話しし、その高い志や能力に触れて、改めて自民党から立候補したいと思いました。

小林

4人とも新人ですが、政策を研究、あるいは実際に提供していた経験者ばかりなので心強いです。

各都道府県連で異なる候補者公募
面接の様子や印象に残っていることは…

小林

候補者公募の方法は、都道府県連によって異なります。面接の印象はいかがでしたか。

福田

すごく緊張しました。

小林

福田支部長の選挙区の東京都第18区には当初、他党の元総理の立候補が想定されていましたよね。

福田

はい。面接で「私は認知度では対立候補に負けるかもしれませんが、能力では絶対に負けません」とアピールしたことは覚えています。他には、仕事が休みの日に選挙区を歩いて回っていたのですが、選挙区のことを聞かれ、キャベツの定植の話など歩いて得た情報で盛り上がりました。

向山

私も、ものすごく緊張しました。選挙区は夫の縁で手を挙げた北海道第8区で、選考会場には函館市と北斗市、ならびに16町の代表や業界の人たちがずらり。しかも、会場入りをするところからテレビ局の取材が入って撮影されていました。
選考結果の注目度も高く、翌日の函館新聞の一面に載ったほど。支部長に選ばれて光栄でしたが、その重大性を身に染みて感じました。

私の場合、面接では地元への思いを張り切ってしゃべり過ぎてしまって…。無事合格したものの、「質問は最後まで聞きなさい」とお叱りを受けました。

小林

人の話を聞くことは、政治家にとって実はいちばん大事なことですからね。

大辻

私が応募したのは大阪の選挙区支部長一括公募でした。10の選挙区に対して70人ほどの応募があり、面接官が20~30人並ぶ前で面接をしました。印象に残っているのは、私の目の前に座っていた茂木敏充幹事長が、とてもニコニコされていたことです。他の面接官の皆様も、私が話しやすいように気を遣って質問をしてくださっていると感じました。
私は受かる見込みが全くないまま応募したので「失うものは何もない」と腹をくくり、面接に臨みました。今までの実績に対する自負や、大阪・日本を変えたいという情熱が伝わり、選出いただけたのだと思います。

小倉

面接官は、人に会って話を聞く専門家です。4人は特に地盤を受け継いだわけでもなく、そのプロが「この人は光っている」と認めて選ばれたのです。ぜひ自信を持ってもらいたいです。

新人支部長の日常
地元での活動を通して感じていることは

私はこどもが2人います。東京に30人近くいる支部長で、子育て中の女性は丸川珠代参議院議員と私のみ。未就学児のこどもがいるのは、私だけです。

小林

党改革実行本部の掲げる「女性議員の育成、登用に関する基本計画」にはさまざまな支援策があり、その中に新人支部長で未就学児、または要介護の家族がいる人を対象にした「子育て・介護支援金制度」があります。ベビーシッターや一時保育などに使えるので、ぜひ利用してください。

はい。こうした支援があるのは、とてもありがたいです。

大辻

私は今28歳(取材当時)で、妊娠しています。“20代、女性、妊婦、かつ国会議員を目指している”のは、かなり珍しい存在だと思います。
妊娠が判明したのは、支部長就任と同時期。とても悩みましたが、私自身が妊娠・出産・育児に奮闘しながら活動することで、今の日本に必要とされている子育てや働き方を模索していければと考えています。
私がSNSで妊娠を発表すると、すぐに岸田総裁と茂木幹事長が激励コメントとともにリポストしてくださいました。候補予定者が妊娠していても自民党は全力で応援するというメッセージを発信してくださったことは、政治家を志す全国の女性たちの大きな後押しになったと思います。私自身もものすごく心強く、うれしかったです。

小林

これから日本が女性活躍や働き方改革を進めていく中で、妊娠・出産が女性のキャリアの選択肢を狭めてはいけません。
ところで、大辻支部長は普段どのような活動をされていますか。これから議員を目指す女性にとっても、大変気になると思います。

大辻

特に同年代の女性や子育て中の人、現役で働く世代などに話を聞いています。政治活動であることはあまり意識せず、地域の人たちと触れ合って勉強するつもりで活動しています。
具体的には、子育て世代のサポートをする団体のもとに足を運び、対話を重ねています。妊婦の私が行くと参加者の皆様が親近感を持ってくださり「話を聞いてみようかな」「自分の要望を言ってみようかな」と心を開いてくれることも多いです。

小倉

今後ぜひ、大辻さんが聞き取った意見をまとめて、われわれに政策提案をお願いします。選挙では、それが大辻支部長の実績としてアピールできますし、私たちとしても当事者の声はありがたいです。

大辻

ありがとうございます。
妊婦の皆さんと話していると、彼女たちが抱える課題は女性だけ、妊婦だけの問題ではないと感じます。介護と向き合う人や障害児を育てる父親などにも当てはまる課題は多く、それらを解決することは幅広い層にとってプラスになると信じて向き合っています。

小林

地域活動の中でリアルな話が聞けて、そこから作った政策が実現すると、国民の生活が良くなる様子が見えて、こちらも元気になれる。政治家という職業の魅力だと思います。

福田

支部長になってつくづく感じるのは、地方議会議員の皆様に支えられているということ。地元の人が「ポスター持っておいで」「話聞くから、人集めるね」と、新人の私を温かく迎え入れてくださったのは、自民党の先輩たちや党員の方々が長きにわたって地域に根差した活動をしてきたからです。昨年、武蔵野市長選挙があり、私もチームの一員として走り回りました。次は国会議員として、チームのお役に立てればと思います。

小林

支部長を支える地方議会議員と党本部とのさらなる連携を図るため、「地方議員センター」を新設。活動をサポートする多様な広報ツールや政策情報の提供等を行っています。

福田

実は私が支部長に就任した直後に、政治家を目指す大学4年生の女性が「インターンをさせてください」とご連絡をくださいました。私たちが活動することで、女性でも、若くても、子育てをしていても、妊婦でも「政治家として活躍できるんだ」と思ってもらえるような、ロールモデルになっていきたいです。

小林

向山支部長は地元での活動を通して、どのようなことを感じていますか。

向山

日本全体で財政状況が厳しく、限られた予算の中で、新しいことに挑戦しなければならないので、単に陳情を聞いて担当省庁につなぐのではなく、自らが一緒に考えて解決策を探っていきたいです。それを実行するのに、若いこと、女性であることは、話しやすさという点で有利なはず。どのようなことに困っているのかを丁寧にヒアリングし、地域の皆さんの挑戦のパートナーになっていきたいと考えています。

小倉

政治家のリーダーシップのあり方は、時代とともに変化しています。昭和の“陳情受付型モデル”に対し、令和は“提案コーディネート実践型”。人の話を聞いて課題を整理し、政治家が一緒に知恵を出し合って前に進めていきます。自民党には「政策に上下なし」の伝統があって、当選回数に関わらず政策を実現することができるので達成感があります。

小林

特に新たなビジネス領域や、デジタル分野などは、1期目でも活躍しやすい分野だと思います。

新人女性支部長をサポートするメンター制度、
ハラスメント相談窓口

支部長になって苦労しているのは、1日のスケジュール管理です。こどもが風邪をひいたり、自分が病気にかかったりした時などにどうすればよいのか。なかなか表立っては聞きにくいので、メンター制度が大いに役立っています。私のメンターは友納理緒参議院議員で、同じ年代のお子さんがいるので、いろいろな相談に乗っていただいています。

福田

私は活動中、公職選挙法や政治資金規正法などの慣れない制度の判断に悩むことがあります。そんな時はメンター制度や党内の相談窓口などにご相談をしています。

先日、新人の男性支部長が、法律やコンプライアンスなどを気軽に相談できる人がいなくて困っていました。政治刷新本部の役員会で発言する機会があったので、そのことを伝えました。

小林

メンター制度は、新人の女性支部長が対象です。門支部長から「男性も不安を抱えているので、対象を広げてほしい」と提案があり、男性にも拡げるべく調整しています。

自民党にはハラスメント相談窓口があり、心の支えになっています。例えば、女性が辻立ち演説をしていると、いろいろなトラブルに巻き込まれることも。私は露出狂に遭ったことがありますし、学生インターンが殴られたこともあります。どちらも自民党の先輩が毅然と「すぐに通報しなさい」と言ってくださり、「一つ一つ声に出していくことが大切」と教わりました。

大辻

働く人たちを守るというメッセージは、組織の質を高めるのに不可欠。それが結果として、優秀な人材を集めることにもつながるのだと思います。

小林

党改革実行本部の取組みが当事者の皆さんの支えになっていることが分かり、良かったです。

取組みたい政策は
新人の今こそ、さまざまなチャレンジを

小林

最後に、国会議員になって取組みたい政策を聞かせてください。

向山

食やエネルギーなど、国の基幹を成すものを守ることが、今一番考えたいテーマです。
日本の食料安全保障を考える上で重要なのは、生産者の所得を確保し、将来の食料を安定して確保し続けること。これまで東京の机上で思い描いていたものとは全く違う次元で、政策を考えていかなければならないことを、北海道で地域の当事者のお話を伺い実感しました。ただ守るだけでは持続可能につながらないし、テクノロジーを活用してどんどん新しい試みにも挑戦していきたいと思います。

福田

数十年後、こどもたち、孫たちの世代も楽しく長く元気に働いて、おいしいものをたくさん食べられる国であってほしい。私はそのために働きたいです。
地元の働く世代の人から、こどもたちの将来の働き方を心配する声をよく聞きます。雇用を取り巻く環境が変わる中で、今後どんな働き方ができるのか。どんな仕事が残って、どんな仕事が新たに生まれ、どういう条件や環境ならば長く楽しく働けるのか。こうした課題にも取組んでいきたいと思っています。

私は、社会保障です。地元の杉並区は、子育て世帯が多く、所得階層は平均より少し上くらい。社会保障制度の担い手としての意識が比較的高く、この分野に力を入れていきたいです。

大辻

こどもや若い世代だけでなく、誰もが前向きに挑戦できる社会を作っていくことです。あらゆる領域における挑戦者が経済的にも報われる仕組みをつくることで、強くて明るい日本をつくっていきたいと思っています。

小倉

4人とも地域を回ってやりたいことが広がっているようですね。政治家は自らが取組みたいと思ったら、どんな分野でも携われます。例えば、これまで農業に従事した経験がなくても、農林部会で勉強して認められれば、日本の農政を動かすチャンスがあります。新人の今は、自分の可能性を広げる準備期間だと思って、さまざまなことにぜひチャレンジしてみてください。

小林

自民党は、女性候補者支援に積極的に取組んでいます。女性議員の未来を、さらに輝かせるために、一緒に頑張っていきましょう。本日は、ありがとうございました。

新人支部長プロフィール

※年齢は取材当時

向山 淳

昭和58(1983)年11月19日生まれ、40歳

幼少期から中学時代、商社勤務を経て海外大学院留学と、多くの時間を海外で過ごした経験から、日本の素晴らしさを知り、この国の未来のために働きたいと思うようになった。
選挙区の函館を中心とした道南地域で日々現場をまわり、人口減少や第一次産業など地域の喫緊の課題に取組み、道南から日本を前向きにしたいという思いで活動している。函館市内で小学生のこどもを育てながら活動中。

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福田かおる

昭和60(1985)年5月10日生まれ、38歳

農林水産省行政官として、国内外で多くの政策実行や交渉に携わってきた経験を活かし、批判や提案で終わらない課題解決型の実務家としての政治家になりたいという思いを持って活動している。雇用・賃金政策、教育改革、食料安全保障を含む経済安全保障を政策の柱に据え、こどもたち、孫たちの世代も、楽しく希望をもって働き、安心して暮らしていける社会の実現を目指す。
選挙区である武蔵野市、小金井市、西東京市を日々歩いて回っている。

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門 寛子

昭和55(1980)年6月11日生まれ、43歳

杉並区生まれ杉並区育ち。経済産業省及び総理官邸時代に培った行政官としての知見と実行力、二人の小さなこどもを育てる母としての視点。これらをバランス良く活かし、現場主義を徹底していく。政治は実行の積み重ね。分断や緊張を乗り越え、政治で新たな時代を切り拓く。

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大辻沙耶

平成7(1995)年3月31日生まれ、28歳 (2023年8月時点で、自民党の女性最年少選挙区支部長)

幼少期を海外で過ごし、大学卒業後はコンサルティング業界に就職。中央省庁・政府系機関に対する政策立案や、スタートアップ企業の支援を手掛ける中で、政治が日本社会に与える影響を実感。幼少期から関心があった政治に挑戦することを決断し、公募を経て生まれ故郷である大阪の選挙区支部長に就任。「強くて明るい日本を創る」をモットーに、日本経済の再生や質の高い公教育の実現等を掲げる。政治不信や関心度の低さに危機感を抱き、若者への主権者教育にも注力している。2024年春に第一子を出産し、現在は子育て当事者として活動中。

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