機関紙「自由民主」2950号より

党員・党友の大切な一票を

2021年9月18日

野田毅総裁選挙管理委員長に聞く

 任期満了に伴い施行される今回の総裁選では、総裁公選規程に基づき、党所属国会議員による議員投票と110万人を超える有権者による党員投票が行われる。党本部総裁選挙管理委員長の野田毅衆院議員に、今回の総裁選の意義や望まれる政策論議の在り方などについて話を聞いた。

党員の思いより強く反映

ネット上での討論会の開催にも触れ、開かれた総裁選であることを強調する野田毅委員長

ネット上での討論会の開催にも触れ、開かれた総裁選であることを強調する野田毅委員長

 ――今回の総裁選の意義は?

 野田毅総裁選挙管理委員長 自民党総裁の任期は、党則によって3年と定められています。菅総裁が選出された時点からは1年しかたっていませんが、菅総裁は安倍前総裁の任期途中で選出されたため、その任期は前総裁の残任期間、すなわち今年の9月30日までとなっています。

 昨年は任期途中だったので、「党大会に代わる両院議員総会」で後継総裁を選出しましたが、今回は任期満了に伴う総裁選であるため、総裁公選規程に基づく選挙となり、国会議員票と党員算定票の比率が1対1と、昨年に比べ党員票の比重が格段に重くなります。

 その上今回は、総裁選の直後に衆院総選挙が施行されます。コロナ下で行われる初めての総選挙において、自民党は誰を次の総理候補として戦うのか。どのような理念、政策、政治姿勢の下に党の力を結集し、国民の信を問うのか。国会議員だけではなく、党員一人一人の見識が問われる、非常に重要な意義を持つ総裁選だと考えています。

 ――候補者にはどのような政策論議を望みますか?

 野田 新型コロナウイルスの感染症が確認されてから、間もなく1年8カ月になりますが、デルタ株の拡大などもあり、国の内外を問わず収束の見通しは立っていません。国民の命・健康への不安に加え、日々の暮らしや経済活動への不安も広がる中、国民が候補者から最も聞きたいのも、こうした状況をどのように打開するのかということだと思います。候補者の皆さんには、感染防止、人流やワクチンに関する考え方、観光や飲食、芸能•文化関係者など大変な打撃を受けておられる方々、困難な生活を余儀なくされている方々への支援策などについて、活発な議論をしてほしいと思います。

 また、目先の処方箋だけではなく、コロナ禍からの反転攻勢をどのように進めていくのか、その先の成長戦略をどうするかといった議論も必要ですし、コロナ禍によって明らかになったわが国社会の弱点を克服するための施策、将来の新たな感染症を見据えた備えなどについての議論も必要です。

 国民に示すべき政策は内政に限りません。米中関係をはじめ、アフガン情勢など、世界の秩序は非常に流動化しています。気候変動への取り組みやグリーン化、国際的な経済問題、新たなルール作りなどの課題も山積しています。こうした状況を踏まえ、日本が世界の中でどのような役割を果たし、さらなる発展を遂げていくのかといった"国家戦略"についても大いに議論してほしいと思っています。また、論戦を通じてわが党にある多様な政策が国民に示され、総選挙に向けた政策がより磨かれる機会になればと考えています。

記者会見で総裁選の施行日程を発表する野田委員長

記者会見で総裁選の施行日程を発表する野田委員長

ネット討論会
国民も候補者に質問

 ――コロナ下で行われる総裁選の取り組みは?

 野田 従来は、総裁選挙管理委員会が主催する「所見発表演説会」や「共同記者会見」、青年局・女性局共催の「公開討論会」などに引き続き、全国各地で街頭遊説も行っていましたが、今回の総裁選では感染予防・人流抑制の観点から演説会の開催は自粛することにしました。

 一方、現在は、インターネットによって、時間や空間を選ばず、党員・党友、国民の皆さまに情報発信することが可能です。そこで今回は、ネット上での討論会を選挙管理委員会主催で行うことにしました。この討論会では、コロナ対策、経済政策、外交・安全保障など各回ごとにテーマを決め、候補者の考えを聞くことにしています。また、党員・党友のみならず、広く国民の皆さまからも候補者に質問していただく場面も設けることにしているので、ぜひ多くの方々に参加していただきたいと思います。

 ――党員・党友へのメッセージを。

 野田 今回の総裁選では、規程で定められた有権者に加え、特例として、昨年、新たに入党・入会された党員・党友にも投票していただけるようにしました。これにより、党員投票の有権者は約110万人となります。有権者の皆さまには、候補者の理念、政策を十分吟味していただき、誰に自民党の将来、そして日本の未来を託すのかという視点から、ご自身の大切な一票を投じていただきたいと思います。

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