機関紙「自由民主」2948号より

菅総裁「新型コロナ対策に専念」

2021年9月7日

9月29日 総裁選で新総裁を選出

 菅義偉総裁は9月3日、臨時役員会に出席し、新型コロナウイルス感染拡大防止に専念するため、同17日に告示される総裁選に出馬しない意向を表明した。これにより菅総裁は新たな総裁が選出されることに伴い、総理を退任することとなる。衆院議員の任期が残り約1カ月となる中、わが党は党員の総意で新たな総裁を選出し、新総裁の下で衆院総選挙の勝利に全力を挙げる。

9月3日に行われた臨時役員会。菅義偉総裁(中央)は「新型コロナウイルス対策に専念する」として、総裁選に出馬しないことを表明した

9月3日に行われた臨時役員会。菅義偉総裁(中央)は「新型コロナウイルス対策に専念する」として、総裁選に出馬しないことを表明した

「総理の責務、やり遂げる」

 役員会後、記者団の取材に応じた菅総裁は「役員会において『私自身、新型コロナ対策に専念をしたい。そういう思いの中で、自民党総裁選挙には出馬をしない』と申し上げた」と表明。「総理になって一年間、まさに新型コロナ対策を中心とするさまざまな国が抱える問題について、全力で取り組んできた。そして、今月17日から自民党総裁選挙が始まることになっている。私自身、出馬を予定する中でコロナ対策と選挙活動、こうしたことを考えたときに、実際、莫大なエネルギーが必要となる。そういう中でやはり両立はできない。どちらかを選択すべきである」と述べ、新型コロナ対策に全力を挙げる考えを表明。「国民の皆さんの命と暮らしを守る内閣総理大臣として、私の責務に専念してこれをやり遂げたい」として、総理としての責務に専念することを重ねて強調した。

 役員会の内容を記者団に説明した二階俊博幹事長は「正直驚いたが総裁のご発言だから、考えに考え抜いた末のご決断だと思う。誠に残念だが、精いっぱいおやりになって、ご決断されたことだから、これを受け止めて、党の円満な今後の発展につなげていくことがわれわれに残された仕事だ」と述べ、総裁選による新総裁の選出を円滑に進めていく考えを示した。

 菅総裁は安倍晋三前総裁の後を受け、昨年9月に第26代総裁に選出された。政権発足直後から新型コロナウイルス感染防止対策に全力を挙げてきた。とりわけ感染防止の切り札となるワクチン接種については、「1日100万回」という高い目標を掲げ、7月平均150万回接種を達成するなど、9月3日までに合計1億3300万回を超える接種が完了した。

 全国民の47%が2日までに2回接種を終え、高齢者の87%以上が2回接種を終えている。11月までには希望する全ての国民に対する接種が完了することが見通せるなど、世界でも類を見ないスピードでワクチン接種を加速させてきた。

 また、コロナ禍で浮き彫りとなったわが国のデジタル化の遅れに対応するため、デジタル庁を設置するなど、政権を挙げて行政のデジタル化に取り組んできた。世界的に取り組みが加速する温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を2050年までに実現する意向を表明し、取り組みを具体化するなど、実績を重ねてきた。

 菅政権が取り組んできたグリーン化、デジタル化の流れを受け継ぎ、新型コロナウイルス感染拡大防止や、経済の活性化など山積する課題に対して、国民に広く選択肢を示していくことがわが党には求められている。そのため、わが党は開かれた総裁選を実施して、党員の総意で29日に新総裁を選出する。

 引き続き国民の命と暮らしを守り、経済の安定的な回復を図るため、わが党は責任政党としてその責務を果たしていく。

総裁選

演説会・広報・報道対応を協議

総裁選挙管理委員会では、出席委員が公平公正な総裁選の実施に向けて協議した

総裁選挙管理委員会では、出席委員が公平公正な総裁選の実施に向けて協議した

 任期満了に伴う総裁選(9月17日告示・同29日開票)に関して、党本部総裁選挙管理委員会(委員長・野田毅衆院議員)は9月3日、第3回会議を開き、同委員会主催の演説会や広報、報道対応について担当委員から説明を受けた上で、出席委員が協議した。

 会議では、新型コロナウイルス感染対策のため従来型の演説会を自粛する一方、国民政党として党員・国民の声を直接聞き、候補者自らの思いを全国に発信する「政策討論会」をオンライン形式で開催することを決定。候補者所見発表演説会や候補者共同記者会見、党青年局・女性局主催公開討論会なども行う予定だ。

 同委員会では総裁選の論戦を国民に広く伝えるため、これらの演説会などを報道機関に公開するとともに、取材者数が最少となるよう協力を要請し感染対策に万全を期す考え。

 また、広報関係では候補者の所見などを掲載した党機関紙の「総裁選特集号」を制作し選挙人に郵送するほか、党ホームページに開設する「総裁選特設サイト」や党公式SNSを活用し総裁選の情報を発信していくことなどを確認した。

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