月刊誌「りぶる」特集 10月号より
自由民主党離島・半島振興特別委員会は、令和6年度末に期限が切れる半島振興法の改正に向けて議論を進めています。
今年1月、甚大な被害を受けた令和6年能登半島地震の現状を踏まえて半島振興法改正にどう向き合っていくのか、党離島・半島振興特別委員会の石原宏高委員長に伺いました。
―党離島・半島振興特別委員会について教えてください。
石原宏高党離島・半島振興特別委員会委員長(以下、敬称略)全国にある離島や半島に関係する党所属国会議員で構成された特別委員会で、私が委員長を務めています。
来年3月末に半島振興法は期限を迎えます。その改正に向けた議論を進めるため、離島・半島振興特別委員会は半島振興小委員会(以下、小委員会)を新設し、半島地域の自治体や事業者等からヒアリングを行っています。
―どのようなヒアリングを行いましたか。
石原1回目は今年4月18日、令和6年能登半島地震の復興に向けて陣頭指揮を執る石川県の馳浩知事にオンラインで意見を聴取し、小委員会で半島地域の防災・国土強靱化について議論しました。
2回目は、トラックで商品を届ける移動スーパーを運営する「とくし丸」と、ドローン配送サービスを展開する「ネクストデリバリー」から話を聞きました。とくし丸は令和6年能登半島地震発災後、避難所で生活する人や在宅避難者に対して避難物資の無償配布を行いました。移動スーパーは買い物弱者の生活を支えるだけでなく、定期的にサービスを提供することで高齢者等の見守り機能を果たすことが見込まれ、さまざまな地域社会の課題解決につながると実感しました。
その後、下北半島や津軽半島を抱える青森県の知事や、若者を中心に地域農業を活性化させている和歌山県の果樹園、半島振興協議会からも意見を聞きました。 意見聴取を行うとともに、小委員会は関係省庁から半島振興法対象地域の基礎データを収集しました。例えば、高規格道路※1の整備はどのぐらい進んでいるのか、病院に行くのに1時間以上かかる地域はどのぐらいあるのか、救急搬送のドクターヘリの整備状況はどうなっているのか、などです。
最新の調査によると、半島振興法対象地域の高規格道路の整備率は約52パーセント、無医地区※2は74地区でした。ドクターヘリは46都道府県で57機が整備され、陸路搬送が困難な離島やへき地などでドクターヘリが有効に活用されていました。こうした基礎データをしっかりと把握・整理した上で、これからの半島振興の在り方や、生活サービスの確保に向けた議論をすることがとても重要であると考えています。
―半島振興法とは、どのような法律ですか。
石原産業基盤や生活環境の整備が低い水準にある地域における住民の生活向上と、国土の均衡ある発展を目的として昭和60(1985)年に議員立法で成立した法律です。もともと10年の時限立法として、国や地方自治体等が各種支援措置、施策を講じてきましたが、半島の振興を図るには、引き続き、継続していくことが必要なことから、平成27(2015)年に3度目の法期限延長※3を行い、内容の充実を図ってきました。
現在、半島振興法の対象は23地域(22道府県、194市町村)で、その面積は全国の約11パーセントを占めています(資料1・2参照)。半島は、複数の市町村で構成されている所が多く、広域的かつ総合的な取り組みを社会情勢や半島地域の現状に合わせて行っていくことで、半島地域全体の自立的な発展等を促しています。
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