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月刊誌「りぶる」特集 3月号より

日本・トルコ外交関係樹立100周年

今村雅弘 自由民主党物流調査会長
コルクット・ギュンゲン駐日トルコ共和国特命全権大使(左)
伊藤達也国際局長(中央)
長島昭久国際局長代理(右)

令和6(2024)年、日本とトルコ共和国は外交関係樹立100周年を迎えます。伊藤達也国際局長と長島昭久国際局長代理が、駐日トルコ共和国大使館を訪問。駐日トルコ共和国特命全権大使であるコルクット・ギュンゲン閣下と、トルコの魅力や日本との絆、友好関係などについて語り合いました。

取材日:令和5(2023)年12月19日

トルコは西洋と東洋が“出合う場所”
長い歴史に育まれた独自の文化を体感

伊藤達也国際局長(以下、敬称略) 

伊藤達也国際局長(以下、敬称略)令和6(2024)年は、日本とトルコの外交関係樹立100周年という記念すべき年です。
 初めにトルコとは、どのような国なのか、ご紹介いただけますか。

コルクット・ギュンゲン閣下(以下、敬称略)トルコは、ヨーロッパの一番東、アジア大陸の一番西に位置しています。地理的に西洋と東洋が“出合う場所”であったトルコは、古くからさまざまな文明が栄え、多彩な文化が発展してきました。
 日本の皆さまの中には、イスタンブールという地名を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。旧名はコンスタンティノープルと言い、330年にローマ皇帝のコンスタンティヌス1世が遷都してから、その後ビザンツ帝国の首都にもなり、1453年のオスマン帝国によるビザンツ帝国攻略およびコンスタンティノープル陥落後、オスマン帝国の首都となり、1922年にそのオスマン帝国が滅びるまで、およそ1600年にわたって帝国の首都として機能していました。街のあちこちで、こうした古い歴史やバラエティー豊かな文化に出合うことができるのもトルコ観光の醍醐味の一つですよ。また、長い歴史の中で世界のあらゆる人やモノが集まってきたトルコは、人種や文化のるつぼです。西洋とも東洋とも言えない、唯一無二の文化が生まれました。

伊藤トルコの魅力を満喫できる、ギュンゲン閣下おすすめの都市やスポットを教えてください。

コルクット・ギュンゲン閣下

ギュンゲン初めてトルコを訪れる人におすすめなのは、やはりイスタンブールですね。市内に点在する、ブルー・モスクやアヤソフィア、トプカプ宮殿など、素晴らしい世界遺産の数々をじっくりとご覧いただければと思います。

長島昭久国際局長代理(以下、敬称略)私はまだトルコに行ったことはありませんが、イスタンブールの美しい街並みや、トルコ国内の文化遺産を訪れてみたいです。

ギュンゲン文化遺産と自然遺産の複合遺産であるカッパドキアも日本人観光客に人気のスポットですよ。奇岩や地下都市群は圧巻です。

伊藤私の地元である東京都三鷹市に、中近東文化センターがあります。その付属機関であるアナトリア考古学研究所が、トルコのカマン・カレホユックという遺跡で発掘調査を行っており、トルコとの縁を感じています。ぜひこうした遺跡の数々や、日本との協力で建設されたボスポラス海峡に架かる大橋をこの目で見てみたいですね。

ギュンゲン歴史的な遺跡であれば、トルコ南部にあるギョベクリ・テペ遺跡がイチオシです。世界最古とされるメソポタミア文明よりもさらに古い、1万〜1万2000年前の遺跡で、これまでの考古学史の定説を覆す歴史的発見もあり、近年人気急上昇中の観光スポットです。
 その他、「トロイの木馬」でおなじみのトロイ遺跡をはじめ、国内各地に見どころが豊富にあります。トルコ全土の魅力をたくさんの日本の皆さまに知っていただけるよう、積極的に情報を発信していきたいと思っています。

伊藤本日、トルココーヒーを飲ませていただきましたが、非常に濃厚でおいしかったです。トルココーヒーはユネスコの無形文化遺産に登録されるなど、トルコの食文化は非常に魅力的です。フランス料理、中国料理とともに、世界三大料理に数えられるトルコ料理を、ぜひ現地に行って味わってみたいです。
 私は夫婦でピザ店を営んでいましたが、トルコにもピザに似た伝統料理があるそうですね。

ギュンゲンはい。「ピデ」と「ラフマージュン」のことですね。どちらもパン生地に具材をのせてオーブンで焼き上げる料理です。定番の具材はひき肉ですが、チーズや卵、野菜など、さまざまなバリエーションがあって、どれもおいしいですよ。
 トルコ料理は長い年月の中で発展してきました。トルコの前身であるオスマン帝国は、全盛期に東はペルシャ湾、南はエジプト、西はアルジェリア、北はハンガリーまで領土を広げました。三大陸にまたがる広大な国土を有していたこともあり、各地の多彩な食材や食習慣を融合させ、豊かな食文化を形成していきました。そんなオスマン帝国時代の宮廷料理が、現在のトルコ料理の礎になっているといわれています。

長島昭久国際局長代理

長島トルコ料理ではマントゥが好きです。日本で言うところのギョーザに近いのでしょうか。

ギュンゲンマントゥは、トルコ人の大好物です。中東地域で広く食べられている料理ですが、トルコでは一つ一つを小さく作るのが特徴です。出来立てのマントゥにヨーグルトなどをかけるのが定番の食べ方で、私はさらに上から辛いソースをかけて食べるのが好きです。トルコでは中央部に位置するカイセリという街がマントゥの中心地として有名です。

約130年にわたる交流の歴史
困難な時に互いに支え合える“雨天の友”

伊藤トルコは古くから日本の友好国です。その交流は、1923年のトルコ建国以前から続いてきました。
 日本とトルコが固い絆で結ばれるきっかけとなったのは、明治23(1890)年に和歌山県で発生した「エルトゥールル号遭難事件」です。以来、日本とトルコの間には約130年に及ぶ交流の歴史があり、お互いの信頼度を高めて厚い友情を育んできました。
 昭和60(1985)年には、イラン・イラク戦争下でイランの首都・テヘランに取り残されていた日本人215人を、トルコの皆さまが決死の思いでトルコ航空の救援機2機に乗せて救出してくださり、心から感謝しています。
 また、平成23(2011)年の東日本大震災では、トルコ政府が支援・救助チームとして32人を派遣。救助隊派遣国では最長となる約3週間にわたって活動してくださいました。

ギュンゲントルコも日本も地震国です。東日本大震災の7カ月後には、マグニチュード7.1のトルコ東部地震が発生。日本政府からテント500張と1000万米ドルを支援していただきました。また、近年では、2023年2月に発生したトルコ・シリア大地震において、発災直後から日本の皆さまより多大なご支援をいただきました。トルコ国民も、日本の皆さまに感謝しています。

インタビューの続きはりぶる本誌でご覧ください

りぶる3月号

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定価1部 320円 (税込)

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