月刊誌「りぶる」特集 12月号より
自民党明るい社会保障改革推進議員連盟は、3月30日(第一弾)と6月8日(第二弾)に女性の健康増進に向けた提言を取りまとめました。
同議員連盟の上野賢一郎衆議院議員、本田顕子参議院議員、生稲晃子参議院議員、友納理緒参議院議員が提言の内容や女性特有の健康課題などについて語り合いました。
―「自民党明るい社会保障改革推進議員連盟(以下、議連)」について教えてください。
上野賢一郎自民党明るい社会保障改革推進議員連盟会長(以下、敬称略)人生100年時代に全ての国民が長く健康に活躍できる“百年健幸”の国づくりを目指し、令和元(2019)年11月に自民党の有志議員で立ち上げました。
社会保障制度は国民の広い層の負担を必要とするため、中には心理的に抵抗感をお持ちの人がいます。それを払拭し、「健康で元気な人をもっとたくさん増やしたい」との思いを込めて、議連名の社会保障改革の前に“明るい”を付けました。
活動は“三方良し”をモットーにしています。
―“三方良し”とは何ですか。
上野私の地元・滋賀県で、江戸時代から明治にかけて活躍した近江商人の経営哲学の一つです。個人の健康、社会保障制度の持続可能性、成長産業の育成の三つの観点から社会を良くし、明るい社会保障改革の実現を目指しています。
“三方良し”を具体的に説明しますと、まず個人の健康を良くします。やはり健康が一番大切ですから、一人一人にいろいろな政策の手が届いて、健康で頑張ってもらえる手助けをしていきたいと思います。
次に、社会保障制度の持続可能性です。元気に活躍する人を増やしていくことによって、社会保障全体の費用などの観点からも良い効果が生まれるよう努めていきます。
そして最後は、成長産業の育成です。現在さまざまなスタートアップ企業が生まれています。こうした新しい企業が頑張れる環境をつくり、成長産業を後押しすることで、経済を良い方向に導いてまいります。
本田顕子参議院議員(以下、敬称略)議連では、エビデンス(科学的根拠)に基づいて、明るい社会保障制度の在り方を提言したいと考え、民間企業や学識経験者等からさまざまな意見を伺ってきました。その中で、女性特有の疾患について、これまで表立って議論されることが少なく、それが結果として社会全体に悪影響を及ぼしているのではないか、というご指摘を多くいただきました。
上野議連の加藤勝信顧問や世耕弘成顧問とも相談しながら、女性特有の疾患や健康支援に焦点を当てて議論を進めることになりました。
本田なぜ、女性への健康支援が大切かと言いますと、女性が健康であることが、ひいては社会の幸せにつながるからです。例えば、月経随伴症状※1による労働損失は、実に4900億円(経済産業省調べ)を超えると試算されています。
近年は女性の社会進出が進み、労働力人口に占める女性の割合が4割を超えています。経済産業省が実施した働く女性へのアンケートでは、女性特有の疾患などによって、約5割が職場で困った経験があると回答。留学や赴任、キャリアアップなど「職場で何かを諦めなくてはならないと感じた経験がある」女性は、約4割に及んでいます。
女性と男性とでは罹患しやすい病気が異なりますし、病気によってはかかりやすい年齢も、病状の出方や治療法なども異なります。
友納理緒参議院議員(以下、敬称略)女性は、思春期、性成熟期、更年期、老年期と、生涯を通じて女性ホルモンの分泌が大きく変動するため、心身に大きな影響を及ぼします。ライフステージごとにかかりやすい病気や症状(下図)が違うのは、そのためです。
生稲晃子参議院議員(以下、敬称略)最近は、平均初潮年齢が低年齢化しています。また、出産回数が減ったために月経の回数が増加。月経期間も長くなり、月経前症候群(PMS)や月経困難症、子宮内膜症などの病気が増えてきました。
女性ホルモンの分泌は、更年期になると減少するため、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)、動悸など、体のさまざまな不調を感じやすくなります。さらに老年期は、女性は男性に比べて骨粗しょう症や認知症などの発症率が高くなります。
女性が生涯を通じて明るく、充実した毎日を過ごすには、女性の健康を包括的に、かつ女性特有の体調の変化をしっかり把握して、的確な支援につなげていくことが重要です。
※1:下腹部痛や頭痛など月経に伴う不調
インタビューの続きはりぶる本誌でご覧ください
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