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月刊誌「りぶる」 11月号より

西九州新幹線が開業!
稲田朋美党整備新幹線等鉄道調査会長が視察

長崎駅ホームにて。左から、西九州新幹線の建設にあたった独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、JRTT)の寺田吉道副理事長、稲田朋美自由民主党整備新幹線等鉄道調査会長、九州旅客鉄道株式会社の古宮洋二代表取締役社長執行役員
長崎駅ホームにて。左から、西九州新幹線の建設にあたった独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、JRTT)の寺田吉道副理事長、稲田朋美自由民主党整備新幹線等鉄道調査会長、九州旅客鉄道株式会社の古宮洋二代表取締役社長執行役員
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9月23日、西九州新幹線が開業しました。開業に先立ち、稲田朋美自由民主党整備新幹線等鉄道調査会長(以下、鉄道調査会長)が西九州新幹線に試乗。完成したばかりの駅構内や車両基地なども視察しました。その様子をレポートするとともに、駅周辺の見どころやグルメなどを紹介します。

※取材は、感染症対策を十分に実施した上で行っています。マスクは、撮影時のみ外しています。

長崎駅発着の試乗会を視察

西九州新幹線の愛称は“かもめ”
紅白の車体にシンボルマークやロゴが随所に

車両のデザインは、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」などを手掛けた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が担当
車両のデザインは、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」などを手掛けた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が担当
車体には、羽を広げたカモメをモチーフにしたシンボルマークがあちこちに描かれている カモメの輪の中に星が描かれたマークも 「かもめ」の毛筆。右下には、揮ごうしたJR九州の青柳俊彦前社長(現・会長)の落款印が入る

 西九州新幹線は、九州新幹線西九州ルート(福岡市ー長崎市)のうち、9月23日に開業した武雄温泉駅ー長崎駅間の路線名称です。

 開業を間近に控えた9月14日、長崎駅発着の試乗会が催され、稲田朋美鉄道調査会長が視察しました。ホームに上がると、紅白のコントラストが鮮やかな新幹線が、すでに停車していました。案内をしていただいた九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)の古宮洋二代表取締役社長執行役員が「愛称は“かもめ”です。長年親しまれてきた在来線特急の名前を受け継いでいます。デザインコンセプトは“九州らしいオンリーワンの車両”。白を基調に、コーポレートカラーの赤を配色し、“かもめ”のシンボルマークやロゴを随所に描いています」と説明すると、稲田鉄道調査会長は真新しい車体を見渡しながら「滑らかな流線形のスタイルは、思わず見とれてしまうほどの美しさです」と感想を述べました。

 東海道新幹線が16両編成であるのに対して、かもめは短い6両編成。1~3号車が指定席、4~6号車が自由席で、グリーン席の設定はありません。稲田鉄道調査会長は、3号車に乗り込みました。

グリーン席並みのゆったりとした指定席
約66キロメートルを最速23分で結ぶ

指定席には、木製のひじ掛けがあり、向かい合わせにしても使える格納式のテーブルを備える 車窓からの眺めを満喫する稲田鉄道調査会長 3号車には車椅子スペースを用意 車両によってシートの柄は異なる 3号車:唐草 1号車:菊大柄 2号車:獅子柄  4~6号車(5列シート):黄色地

 指定席は、車両ごとにシート柄が異なり、3号車は唐草があしらわれています。座席の配置は、2列+2列の横4列シート。背もたれやひじ掛けには曲げ加工を施した天然木が使用され、和と洋、クラシックとモダンをバランスよく組み合わせています。稲田鉄道調査会長は「温かみのある洗練された空間ですね。座席はゆったりとしていて、快適に新幹線の旅が楽しめそうです」と話します。

液晶ディスプレーになり視認性と情報量が向上した列車案内表示器 3号車の客室とデッキの間には、多目的トイレ(上)を設置。体の不自由な人をはじめ、授乳や着替え、体調不良の際などに利用できる個室の多目的(右)もある。多目的室のシートは客室に合わせた唐草柄で、寝台にもなる

 正午過ぎ、「長崎くんち」の銅鑼の音や、浦上天主堂と大浦天主堂の鐘の音を取り入れたオリジナルの発車メロディーが鳴り、試乗車は武雄温泉駅に向けて出発。JR九州では、各駅に流す発車メロディーと、車内メロディーの制作を作曲家の向谷実氏に依頼。それぞれの駅でオリジナルのご当地発車メロディーを聞けるのも楽しみの一つです。

 長崎駅ー武雄温泉駅間は約66キロメートル。そのうち約6割はトンネル区間となっています。最高速度は時速260キロメートルで走行しますが「揺れはほとんどなく、座り心地も◎。トンネルを抜けると、田園風景が広がっていたり、大村湾がすぐ近くに見えたり。車窓からの眺めも素晴らしかったです。次回はぜひ大村湾の夕焼けを見てみたいです」と稲田鉄道調査会長。

 12時30分前には、武雄温泉駅に到着。試乗車は、ここで折り返し、長崎駅に向かいます。いったん車外に出ると、同じホームには博多駅行きの在来線特急「リレーかもめ」が停車していました。古宮社長は「武雄温泉駅で在来線を走るリレーかもめと接続することで、博多方面へのスムーズなアクセスを確保しました。同じホームに二つの車両が向かい合わせに並ぶので、お客さまは駅構内のフロアを上下することなくホームを横切るだけで乗り換えることができます。博多駅ー長崎駅間の最速所要時間は1時間20分になり、開業前と比べて約30分の大幅な短縮が実現します」と話します。

 この日の試乗車の運転士は、西尾麻衣子さん。諫早出身で、西九州新幹線で唯一の女性運転士です。西尾さんにお話をうかがうと「運転士というと、男性を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、その中で活躍する女性運転士もたくさんいます。かもめの開業がきっかけで一人でも多くの女性が運転士を目指し、今後さらに増えたらうれしいです」と笑顔で答えてくれました。

武雄温泉駅で稲田鉄道調査会長に、対面乗り換え方式について説明する古宮社長。「ホームの幅は約10m、開業前に乗り換えの模擬実験を行い、時間は約3分に設定しました」と古宮社長
武雄温泉駅で稲田鉄道調査会長に、対面乗り換え方式について説明する古宮社長。「ホームの幅は約10m、開業前に乗り換えの模擬実験を行い、時間は約3分に設定しました」と古宮社長

インタビューの続きはりぶる本誌でご覧ください

りぶる11月号

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発行日 毎月15日発行
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