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メディア短評 葉上太郎(地方自治ジャーナリスト)

災害列島であることを再認識させた「節目の社説」 被災者高齢化でメディア自身が伝承役を担うべき

災害の発生から○年という節目の記事をよく目にする。これには「節目にしか報じない」「いや、節目には思い出させてくれる」という相反する評価がある。全国紙はテーマを阪神・淡路大震災や東日本大震災といった大災害に限定しがちだが、身近な災害を多数取り上げる地方紙には、日本が災害列島であることを再認識させられる。今春以降に書かれた主な「節目の社説」だけでも次の通りだ。
5月9日、伊豆半島沖地震から50年。静岡県南伊豆町の斜面崩壊等で30人が死亡(静岡新聞)。
7月7日、静岡県の七夕豪雨から50年。梅雨前線活発化で静岡市の24時間雨量が508mmに。死者44人、浸水約8万棟(静岡新聞)。
7月9日、長野県南木曽町の梨子沢で発生した土石流災害から10年。中学生1人が死亡、建物被害は40棟以上(信濃毎日新聞)。
7月13日、新潟・福島豪雨(7・13豪雨)から20年。新潟県では河川の決壊などで15人が死亡、約8千棟が浸水(新潟日報)。
7月18日、福井豪雨から20年。梅雨前線による集中豪雨で、福井県内では死者・行方不明者が5人(福井新聞)。
7月28日、新潟焼山噴火から50年。噴石で大学生3人が死亡、土石流が発生(新潟日報)。
8月20日、広島土砂災害から10年。集中豪雨で土石流が相次ぎ、広島市では災害関連死3人を含めて77人が死亡(中国新聞)。
9月14日、長野県西部地震から40年。同県王滝村の直下で断層が動き、死者・行方不明者が29人(信濃毎日新聞)。
個別に見れば一定の地域での惨事だ。しかし、各紙が指摘するのは...

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