討論会に臨む9人の総裁候補。林芳正候補は公務のため欠席し、推薦人代表の田村憲久衆院議員(左3人目)が代理を務めた
国民からの質問に総裁候補が直接応える総裁選挙管理委員会が主催するネット討論会の1回目が9月22日、党本部で開催されました。計3700超の質問が寄せられ、今回は「国のかたちを考える」と題して憲法改正や政治改革、外交・安全保障、沖縄の課題等のテーマについて各候補が論戦を交わしました。
各候補は中国やロシアの力による一方的な現状変更の試み等により、わが国が置かれている安全保障環境は戦後最も厳しく複雑であるとの認識を示し、「なぜ憲法改正が成し遂げられなかったか」との質問に対して、茂木敏充候補は「合意形成のために丁寧な議論をやってきたが結論は出せなかった」と指摘。発議しない限り、国民の権利が行使できないとし「憲法改正を3年以内に実現したい」と強調しました。
高市早苗候補は、国会での発議に必要な国会議員3分の2以上の賛成を得ることの難易度を指摘した上で、「時代や安全保障環境の変化に合った憲法をつくり上げたい」と決意を述べました。
小林鷹之候補はこれまでの戦略の欠如を指摘。発議のタイミングや具体的な審議のスケジュール等をつくる重要性を述べ、緊急事態条項の創設と自衛隊の明記について優先的に進めていくとしました。
公務で欠席した林芳正候補の代理を務めた推薦人代表の田村憲久衆院議員は「憲法改正をしなくても国が成り立ってきた」と言及。一方、昨今の安全保障環境や緊急事態が起こった際を念頭に「憲法改正をしなければ間に合わない」と必要性を強調しました。
小泉進次郎候補は、これまでの政治は「有権者の50パーセントの賛同を得ることに確証が持てず、失敗するリスクを取り切れなかった」とし、「否決されるリスクがあっても国民投票を実現したい」と訴えました。
上川陽子候補は「次世代のために内外の状況の変化に対応できる憲法が必要」と強調。発議は国民の信頼に対する信頼が大前提と指摘し、国民と対話を重ね道筋をしっかり進めていくとの方針を述べました。
加藤勝信候補は「憲法改正がなぜ必要なのかを地道な活動の中で国民に訴えていく必要がある」と述べた上で「3分の2以上の賛成を得るための条文案をつくり出していきたい」と抱負を語りました。
河野太郎候補は、冷戦時代の与野党の対立構造等に触れた上で「中国が台頭することによって、真剣に、具体的・現実的に安全保障問題を考えなくてはいけなくなった」と、憲法改正の必要性が増していることを強調しました。
石破茂候補は「主に9条が議論になるが、賛成の人は賛成の人だけ、反対の人は反対の人だけで集まって議論しているため機運が高まらない」との認識を示し、「お互いに議論を尽くす場をつくっていきたい」と述べました。
その他、わが国の諜報分野での機能強化を図るための施策や、沖縄で観光と他分野を組み合わせる等した新たな産業政策等について各候補それぞれの考えが示されました。