東京・秋葉原で自らの主張を語り、支持を訴える各総裁候補
総裁選8日目の9月19日、立候補した9氏は東京・秋葉原で行われた総裁選管主催の所見発表演説会に臨み、外交・安全保障政策について力強く熱弁を振るいました。
拉致問題について言及した加藤勝信候補は、担当大臣在任中に拉致被害者の帰国が実現しなかったことを陳謝し、「総理として全ての拉致被害者の即時帰国に向け、日朝首脳会談を早期に実現したい」と強く訴えました。
河野太郎候補はわが国を取り巻く安保環境を危惧した上で、「一国平和主義から脱却し、共通の価値観を持つ国々と連携して日本の平和と安全を守るための応分の責任と負担を持つ決意を世界に示すべき」と力説しました。
石破茂候補は現在のウクライナ情勢は「明日のアジアかもしれない」と強調。日米同盟を基軸に「仲間の国がやられたら義務として助ける仕組みが必要だ」と述べ、アジアにおける集団安全保障体制の構築を主張しました。
「外交で失敗すると国が傾く」と訴えた茂木敏充候補は、トランプ政権下で臨んだ日米貿易交渉を回顧。「絶対に譲れないところは譲らないという姿勢で交渉、妥結させた」として、力強い外交で国益を守ると決意表明しました。
高市早苗候補は「国の究極の使命は国民の生命と財産、領土・領海・領空、国の主権と名誉を守り抜くことだ」と力説。安保環境が厳しくなっているとの見解を示し、外交・防衛力の強化と国連改革に取り組むと訴えました。
小林鷹之候補は中国の空母等がわが国の接続水域に入ったことに触れ、「自分の国は自分で守るという気概がない国を他の国は守ってくれない」と主張。日米同盟等による抑止力強化に加え、自衛隊を憲法に明記するとしました。
中国・深圳で日本人男児が刺殺された事件を受け、その対応に当たっている林芳正候補は「実際どうなっているのか。2人の子を持つ親としていたたまれない」と述べ、邦人の安全対策等に全力で取り組む考えを示しました。
小泉進次郎候補もこの事件に言及し、中国側の対応を批判。「(会場に訪れた人達は)自分の子供の命が失ったように受け止めていると思う」と語り、中国側に容疑者の動機等についての説明と厳正な対処を強く求めました。
23、24日の日程で訪米し、国連総会の関連会合に出席する上川陽子候補は「国益をかけて外交に携わってきた私としては、何としても空白にするわけにはいかない」と強調。今後も覚悟を持って外交に取り組むと表明しました。
演説会は9氏が交代で党街宣車「あさかぜ」に登壇して行われました。外交・安保政策以外にも経済政策や災害対策等、これからの日本のあるべき姿について豊富な政治経験に裏打ちされた主張が展開され、会場を埋め尽くした聴衆からは大きな拍手と歓声が沸き起こっていました。