「長期的視野に立って議論を行っていきたい」とあいさつする宮沢洋一党年金委員長
党社会保障制度調査会の年金委員会は8月26日、今後の年金制度の在り方に関する政府の検討状況について厚生労働省から説明を受け、意見を交わしました。
今後の年金制度の在り方を巡り、同省の社会保障審議会年金部会は▽次期年金制度改正の方向性▽障害年金制度▽遺族年金制度等―について検討を重ねています。この日の会合では、7月30日に開かれた同部会の概要について説明がありました。
次期年金制度改正の方向性について同省は、「働き方に中立的な制度を目指すとともに、ライフスタイル等の多様化を年金制度に反映しつつ、高齢期の経済基盤の安定や所得保障・再配分機能の強化を図る」ことを基本的な考え方に据えていると説明。
その上で対応の方向性として▽働き方に中立的な制度の拡大(論点・被用者保険の適用拡大、いわゆる「年収の壁」と第3号被保険者制度等)▽ライフスタイル等の多様化への対応(論点・高齢期より前の遺族年金、加給年金等)▽平均寿命の延伸や基礎年金の調整機関の長期化を踏まえた、高齢期の経済基盤の安定、所得保障・再分配機能の強化(論点・マクロ経済スライドの調整期間の一致等)―等を挙げました。
障害年金制度の見直しでは、現時点で議論が求められる課題として、初診日要件や事後重症の場合の支給開始時期、障害年金と就労収入の調整等5つの論点を同部会に示しました。
また、遺族年金制度の見直しでは、子のない20~50代には男女ともに5年間の有期給付とする案を提示しました。
会合では、政府の検討状況を踏まえながら議論を進めていくことを確認しました。