毎月勤労統計調査の結果について「日本経済は新たなステージへの力強い移行が続いている」と語る岸田文雄総理(8月6日、広島市)
日本経済を新たな成長軌道に乗せるため、政府与党は構造的な賃上げと物価高の克服を最優先に、官民による大胆な投資やGX(グリーントランスフォーメーション)、科学技術・イノベーション政策等、さまざまな政策を強力に推し進めています。そして、6月の実質賃金が27カ月ぶりにプラスに転換、4~6月期の国内総生産(GDP)は名目で初めて600兆円を超える等、これまでの取り組みの成果が着々と出ています。
厚生労働省が8月6日発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価の影響を考慮した労働者1人当たりの実質賃金は前年同月から1.1パーセント増え、27カ月ぶりにプラスに転換しました。
労働者が実際に受け取った「名目賃金」に当たる現金給与総額は前年同月比4.5パーセント増の49万8884円で、30カ月連続のプラスとなっています。
現金給与総額の内訳では、基本給等の「所定内給与」が同2.3パーセント増の26万4859円、残業代等の「所定外給与」が同1.3パーセント増の1万9483円となりました。賞与を含む「特別に支払われた給与」は同21万4542円で、同7.6パーセントの大幅アップです。
就業形態別で見ると、一般労働者の現金給与総額は66万4455円(同4.9パーセント増)、所定内給与は33万4471円(同2.7パーセント増)、パートタイム労働者の現金給与総額は12万1669円(同5.7パーセント増)、所定内給与が10万6263円(同2.6パーセント増)となりました。
一方、内閣府が8月15日発表した令和6年4~6月期のGDPの1次速報値では、名目GDPの成長率が1.8パーセント(年率換算で7.4パーセント)となりました。実額にすると607.9兆円となり、史上初めて600兆円を超えました。
また、物価変動の影響を除いた実質GDPの成長率は0.8パーセント、年率換算で3.1パーセントとなりました。
国内需要では、個人消費が前期比1.0パーセント増で5四半期ぶりにプラスへ転換。設備投資は半年ぶりにプラスに転じ、0.9パーセントとなりました。他方、輸出は同1.4パーセント増、輸入は同1.7パーセント増でした。
名目GDPの600兆円越えは、平成27年に当時の安倍晋三総理が目標に掲げていたもので、9年かけて実現した形となります。