高等教育機関への進学率が8割を超える中、家庭の経済状況に関わらず全ての意志ある学生が安心して教育を受けることができるよう、家庭の教育費負担の軽減を図ることは喫緊の課題です。党教育・人材力強化調査会(会長・柴山昌彦衆院議員)は「高等教育の無償化」を重要政策の1つに掲げて議論を重ね、昨年12月、教育の質の確保とさらなる負担軽減へ向けた論点整理を取りまとめました。
教育の質の確保とさらなる負担軽減へ向けた議論を重ねている党教育・人材力強化調査会
政府与党の施策が自治体の無償化制度後押し
わが党はこれまで政府と一体で、私立高校等の授業料の実質無償化や高校生等への奨学給付金制度の創設、低所得層を対象とした高等教育の無償化等、さまざまな学校段階を通じた経済的な負担軽減策を実現しました。
中でも高校等の授業料については高等学校等就学支援金制度による基盤的な支援を実施。国と地域の支援が相まった形で授業料の負担軽減が行われ、東京都や大阪府等の自治体でも所得制限を撤廃して高校の授業料を無償化する制度等が推進されています。
「キャップ制」は質の低下招きかねない
高校生のうち3割以上の生徒が通う私立高校について、一部の自治体では「授業料無償化」というスローガンの下、いわゆる「キャップ制」を設け、上限を超えた授業料は全て学校に負担させるという制度が導入されようとしています。
こうした制度は私学の自主性に基づく創意工夫ある教育活動を困難にする恐れがあるとともに、教育を均一化させ質の低下を招きかねないものです。さらに、周辺自治体と比較して著しく差がある支援を実施することで、財政力のある地域への人口集中も生じかねず、その手法に疑問の声も上がっています。