「川ガキ」礼賛
近所の小川で無邪気に遊ぶ「川ガキ」の姿を見なくなって久しいように感じる。子供の頃、町内の上級生から下級生まで連れだって、近くの川へ魚採りに行った。採れた魚は全員に、公平に配られた▼ゴールデンウイークのある日、孫たち8人を連れ、近くの小川へ魚採りに行った。率先して川に入る子、躊躇(ちゅうちょ)しながら入る子も、数分経つと夢中でタモを振り回す。「採れた!」と1人が叫ぶと皆集まって、2センチほどの小魚にも、驚嘆の声が上がる。昔とったキネヅカ。繁みのある川下にタモを入れ、川上から足でジャブ、ジャブ、ジャブ。小魚が数匹採れた。「おじいちゃん、スゴーイ!」。子供たちは要領を得て、夢中でタモを操っている。1時間ほどで小魚が十数匹採れた。それでも子供たちにとっては、大漁だったに違いない。一瞬の「川ガキ」再現か▼4月1日から「こども家庭庁」が発足した。次元の異なる少子化対策を、6月の「骨太方針」に盛り込む。その中に、子供たちが自然の中で体験できる支援を積極的に取り入れたい。