地域防災を支える上で重要な役割を担っている消防団。その構成員である団員は、非常勤特別職の地方公務員(消防防災要員)として、その地域の住民が他に本業を持ちながら務めています。消防団は自らの意思に基づく参加、いわばボランティアとしての性格を有しており、社会構造や国民意識の変化に伴って、団員数は減少の一途をたどっています。
消防団員の消火訓練の様子(総務省消防庁広報リーフレットより引用)
団員数 ピークの半分以下に
昨年12月20日に総務省消防庁が公表した調査結果によると、令和4年4月1日時点での全国の消防団員数は約78万4千人と、前年から2万人以上減少し初めて80万人を割り込みました。統計を開始した昭和27年時点では200万人を超えていました。
また、新規入団者数の減少に伴って、団員の構成年齢も高齢化が進んでいます。特に30歳以下の団員数は、全体の4割程度にとどまっています。
こうした背景には、過疎地域で若年層の人口減少が進んでいることや、都市部で地域社会への帰属意識の希薄化が生じ、既存の地域組織になじみが薄い住民が増加していること等があります。
このような団員数の減少と団員構成の変化が、消防団の運営に影響を及ぼしつつあります。地域の消防防災能力を維持していく観点から、適正な規模の活力ある消防団の確保をいかに図っていくかが、多くの地域で課題となっています。