空想科学社会
鉄腕アトムの誕生日は2003年4月7日の設定である。手塚治虫が約60年前にまさに21世紀の現在を創造の限りを尽くして描いたものだ。空飛ぶ十万馬力のロボットこそいないが、情報通信分野などでは想像を超えており、比較してみると興味深い▼私は元祖アキバ系を自認しているが、フリルの付いたコスチュームのメイドの話ではない。秋葉原の電気街は、アマチュア無線やオーディオ機器を自作する電気オタクの聖地で、子供の頃に通い詰めたものだ▼その視点からすると、国を挙げてのデジタル化推進に、利便性の高い空想科学社会を迎える期待に胸が膨らむ▼AIや自動運転・産業用ロボットが人の労働を代替し、アイ・コンストラクションやスマート農業の進展。テレワークやオンライン会合により、過密で災害に脆弱な大都市から人や企業が地方にシフトし、優しいライフスタイルを実現する豊かな地方の時代が到来するだろう▼政治の力で花開く空想科学社会の夢をリードしたいものだ。